燃料「B20」って?
クナパくん 7月に開催された第27回ガイキンド・インドネシア国際オートショー(GIIAS)2019では、各メーカーが電気自動車(EV)開発に対する取り組みを披露していたね。導入はまだまだ先のことだけど、二酸化炭素排出量削減、脱石油燃料の動きがインドネシアでも強まっているんだね。
記者 そうだね。電気自動車普及には時間がかかるけど、燃料の源である石油の輸入コストに苦しむインドネシアは、国産バイオディーゼル混合燃料の使用義務化も進めているよ。
クナパくん 昨年話題になった「B20」だね。この「20」にはどのような意味があるの?
記者 軽油に国産バイオディーゼルを20%混合させるという意味だよ。法令では、自家用車やトラック、重機、船舶など、あらゆるディーゼル車両を対象にしている。
長い間議論されていた構想で、昨年動き出した。政府は昨年の概算で600万キロリットル分、約19億ドルの外貨流出を防ぐことができたとしている。ことしの節約目標は30億ドル程度としている。
クナパくん 現状の課題としてはどんな点があるのかな?
記者 原料となる脂肪酸メチルエステルの供給面に不安があるというのが一つある。実際には混合率が10%未満というケースもたくさんある。また、燃料を各地に配送する仕組み作りも道半ばだ。
クナパくん 全国各地で本格的に使用されるようになるには、時間がかかりそうだね。ただ、一方で混合率が30%の「B30」の導入も検討しているらしいね。
記者 そうだね。ことし5月からはテスト走行などの実験も進めている。業界団体インドネシア・バイオ燃料製造協会は、品質について検査をクリアできる自信を見せているよ。
電気自動車普及にあたっては、充電設備の整備など課題は山積している。
バイオディーゼル燃料の需要が落ちることは当面ない、という見通しに基づいた判断だというよ。
クナパくん 乗用車やトラックの動力について、研究・開発を進めていってほしいね。(平野慧)