ガムランを伝承するには?
クナパくん 鉄琴などの楽器で奏でるジャワガムランの音色は素敵だよね。どうやって引き継がれてきたの?
記者 かつては楽譜がなくて、音で伝えられてきたそうだよ。今は、大学や高校で習う場合は、楽譜を使っている。ただ、先輩や先生から直接教わる形式では、先生がお手本を弾いて耳で覚えるよ。
クナパくん 曲数はどれくらいあるの?
記者 「星の数」と言われるほどあるようだ。プロの演奏家は200曲くらいを暗記しているそうだ。
クナパくん 構成は?
記者 一般的な楽器の種類は、鉄琴や太鼓、弦楽器や木管、縦笛などの17種。このほかに男女のボーカルが入るよ。20人以上で演奏する、インドネシアのオーケストラのようだよ。曲は二つの音階と六つの調でできている。
クナパくん どんな楽譜?
記者 数字と記号で表現された楽譜だよ。楽譜にあるのは、主旋律の音のみで、副旋律は、主旋律の楽譜から自分の音を考えて、演奏するよ。副旋律の人は、まずは先生から教わって音を覚えるけど、いくつかパターンがあって、プロの人は、主旋律の楽譜を見れば副旋律が弾けるんだって。いくつも音が重なって、きれいな音楽になっているから、副旋律の音まで楽譜にしたら、膨大な量になりそう。
クナパくん すごいね、指揮者はいるの?
記者 棒を振る指揮者はいなくて、クンダンと呼ばれる太鼓が指揮者の役割をする。たたき方や音の速さによって指揮をとるよ。
クナパくん ルーツは?
記者 紀元前に、ベトナムから伝わったドンソン文化(金属器文化)に起源があるとされているよ。最初は、銅鑼(どら)などを鳴らし、集合の合図や、火事などの緊急時の知らせに使われていたと言われている。
クナパくん 難しそうだけど、演奏してみたいな。
記者 ガムラン奏者の中野千恵子先生とその師匠に教わって、演奏を体験してみた。2時間で1曲が何とか完成したよ。音の響きを調整したり、指揮者の音を聞いて演奏したりするのが、難しかったけど、親しみやすくて、とても楽しかった。 (木許はるみ)