209人が新しい学び舎に JJS入学式 友だちたくさん作りたい
ジャカルタ日本人学校(JJS)は十二日、小・中学部の新入生の入学式を行い、小学部百十四人、中学部九十五人の計二百九人が新しい学び舎の門をくぐった。インドネシアの堅調な経済成長による進出企業の増加で、JJSの児童・生徒数は近年急増。今年は昨年の入学式時から二割近く増え、これまで以上に活気が出てきそうだ。
ネクタイ、ドレスで着飾った小学部の新入生が、体育館に入ってきた。赤らんだほおで緊張を隠せない子、これから友人になる子の手をぎゅっと握り締める子。児童が入場し、中学部生徒が続く。一カ月前まで小学六年だった。きりりと引き締まった顔で、しっかりと前を見据える。両親たちは子どもたちのまた少し成長した姿を見守った。
JJSの岩本謙一郎校長は式辞で、小学一年生に「一つだけのお願い」とし、「しっかりとあいさつできる子になってほしい」と話した。
中学一年生には、「これからは多くの人と関わり、協働する時代。人生を力強く生き抜く土台を培ってほしい」とエールを送った。
在インドネシア日本大使館の下川眞樹太公使は祝辞で、小学一年生に「一年中暑いジャカルタで丈夫な体をつくり、友人と楽しく学校生活を送ってください」と語り掛けた。中学一年生には「あきらめずによく考え、どんなときも前向きに取り組んでほしい」と激励。また、「インドネシア人の八五%が、日本を良い国と思ってくれている。親日国で学校に通えることは幸せ。インドネシアの歴史や文化を学ぼう」と呼び掛けた。学校維持会の小林修一理事長が告辞、JJSの山内豊PTA会長が祝辞を送った。
在校生から歓迎の言葉があり、小学六年の深瀬杏華さんは「JJSには楽しいことがたくさんあります。分からないことがあればお兄さん、お姉さんに聞いてください。私たちが助けます」、中学三年の野津仁志さんは「伝統あるスローガン『責任ある自由』を意識して一歩、大人に近づけるよう努力していこう」と語り掛けた。
小学部に入学した福井心遥さんは「学校が始まるのが楽しみ。友だちをたくさん作りたい」と話した。母の倫子さんは「元気よく通ってくれればうれしい」と笑顔を見せた。
JJS小学部から中学部に入学した山下雄大さんは「中学生になって、できることが増える。スポーツや勉強、新しいことを見つけて挑戦していきたい」と話した。
■児童・生徒数が急増
入学時の児童・生徒数は今年、昨年の八百三人から百四十三人増え、九百四十六人となった。昨年のペースで行くと、二学期には一九九八年の五月暴動直前の一千人台に回復する見込みで、今後一、二年で過去最高の千百九十三人(九七年四月時点)を超える可能性も出てきた。