町中のあちこちにある像
クナパくん ジャカルタの町を車で走っているとあちらこちらで像を見かけるよね。普段なんとなく見ているけれど、詳しく知りたいな。
記者 初めてジャカルタに来た人なら像を見て町を回るのも面白そうだね。まずは観光地として有名なモナス(独立記念塔)広場近くにある像からいこう。
クナパくん モナス南西側に多くの馬に引かれる戦車に乗った人の像があったな。
記者 それは、アルジュナ・ウィジャヤ(アルジュナ戦勝)像だね。アルジュナは、ヒンドゥー教の叙事詩「マハーバーラタ」、ワヤンに登場するパンダワ5王子の第3番目の王子で英雄さ。彼が引いている馬ではっきりと姿が見えるのは全部で8頭で、生命維持に必要とする要素、地球、海、火、風、太陽、月、星、雨を意味しているというよ。1987年にスハルト元大統領の肝いりで建設された。
クナパくん そうなんだ。そのすぐ近くには、男の人の像が建っていたけれど。
記者 ジャカルタを南北に走る目抜き通り「M.H.タムリン通り」の名称に用いられている国家英雄モハマッド・フスニ・タムリン氏の銅像だね。2012年に建てられた比較的新しい像だ。彼は、バタビア(ジャカルタ)生まれの民族主義運動指導者だ。
クナパくん なるほど。あと、モナス広場内にも女性の像があるね。
記者 女性解放運動の先駆者と言われるカルティニさんだね。この像は、日本がインドネシアとの友好のシンボルとして1963年に贈った像だよ。もともとは、ディポヌゴロ通りに建ててあった。
クナパくん 移動したのは?
記者 通りと同じ名前のオランダと戦った英雄ディポヌゴロ像設置に伴って、2005年に移動した。
クナパくん そうか。モナス周辺だけでなく、ほかにも多くの像があるよね。
記者 うん。日本人にとって通称「アッチッチの像」としてなじみのある「青年の像」や北側に向かって「スラマットダタン(ようこそ)」と手を振る男女の像「歓迎の塔」などもあるよね。
クナパくん 各地にある像について調べながら観光してみよう。(上村夏美、写真も)