【じゃらんじゃらん特集】 摩天楼、赤絨毯に立つ 首都を上空散歩 ハリム空港でヘリチャーター
赤瓦の屋根が絨毯(じゅうたん)のように摩天楼の隙間を埋め尽くしていた。ジャカルタの上空1400フィート(約426メートル)。チャーターしたヘリコプターから首都を見ると、下町と高層ビル群の混在がはっきり分かった。平日午前11時のスディルマン通り。南北へ走行する車列は、首都中心部を貫く大動脈を血液のように絶え間なく移動していた。
東ジャカルタのハリム・プルダナクスマ空港。晴れ、雲がまばらに浮かんでいた。風、少々あり。小型ヘリコプターに乗り込み、X型にシートベルトをかけ、防音と会話用にヘッドセットを装着。予想よりも揺れず、ゆっくりとヘリは高度を上げた。
商業地区からはずれると、ひときわ存在感を放つのがタワーを数棟有する巨大アパートメント群。インドネシアの経済を動かす富裕層が数千人単位で住み、建設ラッシュは現在も続いている。
ヘリは北ジャカルタの沿岸に向かった。海抜ゼロメートル地域で、たびたび水害に見舞われる地域。高級住宅地が隣接する貯水池の水面に、ぽっかりと青空が映っていた。
「あれがインドネシア最大の貿易港だ」
パイロット歴27年のヒダヤット・カシム氏(57)が指差した先にはタンジュン・プリオク港があった。沿岸数キロにわたり数十隻の船舶が停泊。海の窓口として国内物流の拠点となっている同港では現在、拡張計画が進んでいる。敷地内には、無数のコンテナが迷路のように積み上げられていた。
郊外へ抜けると、一気に緑が増えた。農村や森林のほか、綺麗に整備されたゴルフ場が点在。高速道路が一直線に伸び、辺りには工業団地や複合都市が形成されていた。
■事前に予約が必要
1985年にスカルノハッタ空港が開港する前に国際空港として利用されていたハリム空港。現在は主に、国内外の政府要人のチャーター機やビジネスフライトの離発着に利用されている。
同空港ではチャーターヘリ会社が数社運営しており、予約すればジャカルタ上空の観光が可能だ。大統領宮殿や国軍施設がある地域など飛行禁止区域があり、ルートは一部制限される。ヘリの大きさによって飛行可能区域も異なるため、事前の確認が必要となる。
小型ヘリでのサービスを展開するデラゾナ・ヘリコプターズの料金は2時間3300ドルから。希望日の2―3日前までの予約が必要で、宿泊ホテルなどにヘリポートがある場合は事前の調整で送迎も可。当日の天候によっては飛行ができない場合もある。
料金には保険料や空港使用税、燃料費が含まれている場合が多いが、会社によって異なる。
◇各社のチャーター料金一覧
■Derazona Helicopters
料金 2時間3300ドル〜(税別)
機材 BELL 206B(定員4人)
電話 021・809・3427
■Susi Air 料金 2時間8000ドル〜(税別)
機材 Grand Agusta A109S(定員6人)
電話 0811・211・1080
■TransWisata 料金 2時間9000ドル(税別)
機材 Super Puma(定員10人)
電話 021・8088・9628