【スナンスナン】肉なしボリュームあり ダルマ・キッチン 人気のベジタリアン料理

 健康志向が広がるジャカルタ。西ジャカルタのセントラルパーク・モールに一風変わったベジタリアン料理が食べられる店があると聞き、訪ねてみた。

 店の名前は「ダルマ・キッチン」。インドネシア料理や中華料理、西洋料理など約80品を提供する。メニューにはアヤム(鶏)やイカン(魚)、ステーキといった単語が並ぶが、肉類は一切使っていない。
 試しにブラックペッパーステーキ(5万5千ルピア)を注文すると、鉄板に「牛肉」やポテト、にんじんが乗った熱々のプレートが出てきた。見た目は肉にしか見えない。少し繊維が強く切りづらいが、食感は本物の肉のよう。濃厚なきのこソースと絡み、十分食べ応えのある一皿だ。
 同店マネジャーのマルフィンさん(36)によると、この「牛肉」はマッシュルームを元に作られている。作り方は企業秘密だが、鶏肉は大豆、魚介類はこんにゃくを元に作っているという。
 米を山形に盛ったナシ・ランギ(4万8千ルピア)には色とりどりの野菜のほかに、「鶏肉」の揚げ物が添えられている。サンバルソースやクルブックも付き、伝統的なインドネシア料理を肉抜きで味わうことができる。他にもサテ・ロントン(3万8千ルピア)など、植物性の食材だけでここまで食べ応えのある料理が出せるのかと驚かされる。
 飲み物はアルコールはないが、フルーツジュースが充実している。オレンジやスイカを使ったトラフィックライトジュース(2万5千ルピア)はすっきりした飲み味が楽しめ、食後の口直しにぴったりだ。
 ダルマ・キッチンは2005年に開店。創業当時からスタッフとして働くマルフィンさんは「開店当時、ベジタリアンが食事できる場所は限られていて、味も悪かった」と振り返る。ダルマ・キッチンは満足感のあるベジタリアン料理を提供するため、仏教徒の食べる精進料理を元に「肉もどき」料理のレシピを開発。現在ジャカルタ特別州内に2店舗を展開している。
 同店のメニューには卵や牛乳など、動物性の食材を使った料理もある。メニューには注意書きが添えられているが、「心配な方は店員に問い合わせて欲しい」とマルフィンさんは語る。(大野航太郎、写真も)

◇ダルマ・キッチン
住所 Jl. Let Jend. S. Parman Kav. 28, Jakarta Barat
☎  021・2920・0018
営業 午前10時〜午後10時

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