急拡大の中間層が熱狂 ジャワジャズ盛大に スティービー・ワンダーら登場

 インドネシア最大の音楽の祭典第八回ジャカルタ国際ジャワ・ジャズ・フェスティバル(ジャワジャズ)は二―四の三日間、中央ジャカルタ・クマヨランの国際展示場(JIEXPO、PRJ)で開催された。国内外の百六十五組、計千七百人のミュージシャンがステージに立ち、十万人を超える来場者を魅了。スティービー・ワンダーら世界のトップアーティストが一堂に会し、急拡大するインドネシアの富裕層や中間層の家族連れ、若者、外国人らで溢れかえった。
 会期中は会場内に設けられた十八のステージで、ジャズにはじまり、ロックやポップスなど、さまざまなジャンルの音楽の公演が行われた。

 二日には、ボディペインティングでイスラムを冒とくしたと批判され、来イ直前のマレーシア公演が中止に追いやられるなど話題になった米国の女性歌手エリカ・バドゥが登場。三千人以上が集まった会場は満員だった。三日にはピアニストのハービー・ハンコックが出演し、キーボードを肩から掛け、ギターのように弾くパフォーマンスで観客を沸かせた。
 最終日の夜にスティビー・ワンダーが登場。百六十五万ルピアの特別料金の公演にもかかわらず、会場最大のホール前には開演数時間前から長蛇の列。トレードマークのサングラス姿でステージに姿を現し、世界で知られる大ヒット曲を次々と披露、会場は観客たちの大合唱に揺れた。
 インドネシア国内のアーティストも多数出演。ジャワジャズに毎年出演していたが、先月死去したインドネシアを代表するピアニスト、ブビー・チェンを追悼するコンサートも開かれた。ジャワジャズ主催者の実業家ピーター・ゴンタがピアノ演奏を披露。インドラ・レスマナら多数のミュージシャンが参加し、インドネシアのジャズ界をリードした大先輩の功績をたたえた。

■日本勢も大好評
 日本からも三組が参加。インストゥルメンタル・ユニットのDEPAPEPE(デパペペ)とソイル・アンド・ピンプ・セッションは二日間出演。デパペペは観客が総立ちで歓声が上がる中、軽快なアコースティック・ギター演奏を披露した。
 来場者のほとんどが二十―三十代。デパペペは若者を中心に着実に人気を獲得し、昨年行われたソウルネーションにも参加した。幼稚園の英語教師ニンディタさん(二八)は、動画投稿サイト「ユーチューブ」を通じてファンになったという。「演奏を聞いてとてもリラックスした」と満足した様子だった。
 二回目のジャワジャズ出演となったソイル・アンド・ピンプ・セッションは三日深夜に登場。ステージの両脇に陣取ったアルトサックスとトランペットが強烈な音を響かせる。「爆音ジャズ」の名にふさわしい演奏。中央のボーカルの社長(久嶋識史)がハンドマイクで「インドネシアを、ジャワジャズを、音楽を愛してる」と盛り上げながら観客をぐいぐい引き込んでいった。
 洗足学園音楽大の原善伸教授は三日のギタークリニックに続き、四日はコンサートを開催。日本の曲「さくら」などをさまざまなアレンジで披露した。原さんは「インドネシアの人たちは音楽を良く知っており、聞きどころを分かっている」と語り、「こんなに大きなイベントで演奏できてよかった」と話した。
 ジャカルタ在住邦人のビッグバンド「ギャラクシー」も四日夕、屋外ステージで全十一曲を演奏。バンドマスターの野々村祐さんは「メンバーの気持ちが一つになり、歴代最高の演奏ができた」と話した。メンバー唯一の中学生、福原悠介さん(一五)は「これだけ大きなイベントで演奏できることはとても良い経験」と語った。

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