日本のアレンジ広めたい フローリストの中畑有紀さん 花屋「バリ・ローズ」で制作
バリ島に花の農園をもち、中央ジャカルタ・ミッドプラザ地下で営業する花屋「バリ・ローズ」で、今月十三日から日本人フローリストとして勤め始めた中畑有紀さん(三七)がアレンジメント制作を行っている。花看板など派手なデザインが人気のインドネシア。日本の業界で十年間以上働いた経験を生かし、「インドネシアの人たちにも冠婚葬祭や贈答用だけでなく、毎日の生活を彩る様々なアレンジも楽しんでもらいたい」と笑顔で話す。(岡坂泰寛、写真も)
奈良県出身の中畑さんは、短大卒業後に事務員として一般企業に就職。フローリストの道を歩み始める転機となったのは、その時代に通っていたフラワー教室だ。小さいころから母が飾った花に囲まれて育ち、その魅力を改めて感じた。「自分の思っているイメージを形にする楽しさを知った」。自分の作品で誰かが喜んでくれることが何よりもやりがいだ。
初めは同県生駒市の駅前アーケードにある小さな花屋でアレンジや花束作りを学ぶ。その後、大手花会社に転職し、ホテルの結婚式などで花装飾のトータルコーディネーターとして経験を積んでいくうち、「もっと自分の知らない花の世界を知りたい」と海外で働くことに興味を持つようになった。
中畑さんにとってインドネシアは未知の国。ホテルの結婚式場で入り口の門や壁に大量の花が飾られている光景を目にして驚いた。「日本とは一度の使用量が違う」。そんな中、著しい経済発展を遂げるインドネシアで、日本スタイルの魅力でもある繊細で手間をかけるアレンジやコーディネートに挑戦する。
結婚式のトータルコーディネーターとして働いていたころ、あえて商品のカタログを多用しなかった。「それぞれのお客様にそれぞれの理想がある。そのオリジナル性を大切にしたかった」とモットーを語る。「来店して頂いたお客様の話を一から聞き、納得いってもらえる作品を作り続けたい」
一般家庭や企業などで気軽に花を楽しんでもらえるよう、一万ルピア(約八十八円)からの小さなアレンジメントを販売。配達のほか冠婚葬祭などでのコーディネートも行っている。ウェブサイト(www.bungabalirose.com)からの注文も可能だ。
◇バリ・ローズ MidPlaza 1, Basement 1
Jl. Jend. Sudirman Kav 10-11
(電話)021・570・3666
定休日 日曜・祝日 営業時間 平日 午前10時―午後7時
土曜 午前10時―午後3時