【スナンスナン】質の高い東南アジア料理 バリ・クロボカン ママサン
新しいレストランが次々に登場し、食の激戦地とも言われるバリ島クロボカン。この中で東南アジア料理の「ママサン」はオープンして5年あまり、毎日大勢の客でにぎわっている。何度も前を通り過ぎたことはあるけれど、一度も入ったことのない店。今回、近くに住む華人男性のジョセフさんの勧めで試してみることにした。
木の扉を押して中に入ると、まず目に飛び込んで来たのは壁1面に描かれたチャイナドレスの魅惑的な「ママさん」。革張りのチェスターフィールド・ソファ、大理石のテーブル、アンティークなランプなどともに、1920年代の上海の英国人居留地をイメージしたという。
メニューは前菜、サラダ、カレーと煮込み、炒め物、揚げ物と分かれていて注文しやすい。それぞれにタイ、ベトナム、マレーシア、中華料理などが並んでいるが、複数の国の要素を取り入れたものもある。前菜に選んだ北京ダック(8万5千ルピア)にはガリが添えられていた。一方、豚肉の焼きギョーザ(7万5千ルピア)は正統派。どちらも前菜にしてはボリュームがあった。
主菜にはマイルドなママサン・チキンカレー(16万ルピア)とジョセフさんお勧めの焼き豚(19万ルピア)を。カボチャやタマリンドを使ったカレーは甘酸っぱさのある東南アジア風。焼き豚は厚切りでとてもジューシーだが、キツネ色に焼かれた皮は口の中でポテトチップのように崩れた。「皮がこれほどぱりぱりして硬さが口に残らない焼き豚はここだけ」とジョセフさん。副菜としてクレープを重ねたようなマレーシアのパン、ロティチャナイ(2万ルピア)を食べた。
1品の量が多いので、少なくとも3人でいろいろ取り分けて食べるのがいいだろう。2人だけの今回は食べ切れなかったが、皿を下げる際、「お持ち帰りしますか」とさり気なく聞かれたので包んでもらった。
ママサンのオーナーは、英国スコットランド出身の料理人、ウィル・メイリックさんだ。「私が目指したのは、居心地が良く品位のある雰囲気の中で、質の高い、でも値段はそれほど高くない東南アジア料理を楽しめるレストラン」と話す。午後5時からは服装規定があり、袖なしのランニングシャツやサーフパンツなど店の雰囲気にそぐわない格好での入店はできない。8歳未満の子どもも入れない。(北井香織、写真も)
MAMASAN BALI
住所 Jl. Raya Kerobokan No.135, Badung, Bali
☎ 0361・730436
ウェブ www:mamasanbali.com