【スナンスナン】祖母の味、受け継いで メンテン ヘリテージ・バイ・タンゴエ
閑静な住宅街の中におしゃれなカフェやレストランが集まる中央ジャカルタ・メンテン。ここに、ことし2月5日、祖母の味を受け継いだオランダとインドネシアの「フュージョン料理」を楽しむことができる「ヘリテージ・バイ・タンゴエ」がオープンした。
オーナー兼シェフのアルバート・ブディ・チャヒヨノさん(26)の祖母の店「タンゴエ」は、1950年に中部ジャワ州スマランで創業、60年にジャカルタへ拠点を移し、67年からメンテンに構えた。タンは祖父の名前、ゴエは祖母の名前だ。以来、親しまれたタンゴエは惜しまれながらも2015年、65年間の営業を終了した。
閉店後、しばらく経ってアルバートさんは「祖母の味が多くの人に愛されていたということをあらためて感じた。自分がその味を出し続けないといけないと感じた」と言い、「ただ、祖母のまねをするだけではなく、現代に合わせた新しいお店にしたい」と話す。
再出発の店は「タンゴエ」の味を受け継ぎ、メニューも3割ほどは「タンゴエ」で人気の品を取り入れたが、他は祖母の味をヒントに作った新たなメニューで、西洋料理や中華料理も楽しめるようにした。店名のヘリテージは遺産という意味で、受け継ぐ思いが込められた。
一番の人気メニューは祖母の店で大人気だったインドネシアとオランダのフュージョン料理「ビスティック・リダ」(9万8千ルピア)。アツアツ鉄板焼きの柔らか牛タンステーキだ。クリーミーでほのかにきのこの香りが広がるバーベキュー風味のソースがかかる。付け合わせのポテトやマッシュルームもソースと絡めて食べる。アルバートさんが「とりあえずこれを食べにうちのレストランに来てほしい」と話すほどの自慢の一品だ。
新感覚のサラダに、「ウオーターメロン・サラダ」(5万ルピア)がある。細かく切ったきゅうりが絡んでいるヨーグルトのソースがスイカにかかったサラダ。すっきりとした味わいから他の食事も進む。
アボカドトースト(4万8千ルピア)もおすすめ。フランスパンのトーストにはアボカドペースト、野菜やカリカリに上がったビーフジャーキーがトッピングしてある。その上に少しレモンをかけるとすっきりとした味わいになる。
アルバートさんは「日本の皆さん、私たちの料理を楽しみに来てください」と笑顔で話した。(上村夏美、写真も)
HERITAGE by Tan Goei
住所 Jl. Teuku Cik Ditiro No.3 Menteng, Jakarta Pusat
☎ 021・3155・057
営業 午前10時〜午後10時