【スナン・スナン】半国産のワインが健闘 手ごろな値段 南国の飲み口
バリ島バドゥン県プラガ村のワイナリーで、ワイン大国のオーストラリアやチリから輸入したブドウ果汁から作られている半国産ワイン「プラガワイン」。手ごろな価格、南国に合った軽快な飲み口などをセールスポイントにバリ以外でも売り上げを伸ばしている。クロボカンのワイン店、ワインハウスで行われた試飲イベントに参加した。
まず、カベルネソービニヨンの白を試した。チリ産のブドウ果汁を使った、かんきつ系の酸味が強いとても爽やかな白ワインだ。「バリの高温多湿の気候で楽しむ魚料理に合います。食前酒としてもおすすめ」とワインコンサルタントのデディー・スサントさんが話した。
赤のカベルネソービニヨンはフルーティーでミディアムボディー。酸味、渋み、甘みのバランスが良く、飲みやすい。チリ産のブドウ果汁に、米国のワイナリーで使ったたるを2センチほどの大きさに砕いたオークチップを入れて熟成している。「プラガではステンレス製のタンクで熟成させているが、こくのあるウッディーな香りを増すためにオークチップを使っている」とのこと。度数は12.8%と普通の赤ワインより低い。
ほかにはオーストラリア産のブドウ果汁で作った、南国のフルーツを思わせる香りが口に残るシャルドネ。赤白両方のワインの特長が複雑にミックスした辛口のロゼ、インドネシア人の好みを意識して砂糖を加えた甘口のロゼがある。度数はいずれも約12.3%。
プラガワインは2013年に販売を開始した。輸入酒類への税金がかからない分、価格が低いこと、開け閉めが容易なスクリューキャップ、スパイシーな料理との相性の良さなど、気軽に飲める本格的ワインとして売り出し、現在、1週間に全種類合せて5千本を生産している。当初はバリの外国人観光客や在住外国人の需要を見込んでいたが、ジャカルタやスラバヤなどのインドネシア人市場に後押しされ、売り上げは順調に伸びているそうだ。「ジャカルタでは特にレストランでの伸びが顕著。これからプラガにとって最大の市場になるでしょう」とマーケッティング担当のイネケさんは話す。
価格はデンパサールのスーパーマーケットで、純国産品と同レベルの1本約16万5千ルピア(750ミリリットル)、1.5リットルと3リットルの紙パック入りのブレンドものもある(各27万5千ルピア、45万5千ルピア)。詳細はwww.plagawine.comで。(北井香織、写真も)