【スナン スナン】 ボゴールで絞り染め シボリ・バイ・スシ 出張ワークショップを開催
西ジャワ州ボゴール市にある「シボリ・バイ・スシ」は、日本伝統の「絞り染め」を作るインドネシアのアトリエだ。デザイナーのスシ・ガンティナ・トリスナワティさん(48)とオーナーの夫マルジャリさん(53)夫妻は、全国各地で絞り染め作りの出張ワークショップを開き、その魅力や歴史、作り方を伝えている。
アトリエは閑静な住宅街にある。商品は全てオーダーメード。コットンやシルク、ビスコースなど6種類から布を選び、注文を受けたスシさんがデザインし、パタンナー歴3年のエギさんと裁縫を担当して4年のエラさん(25)と半年のメナさん(43)が仕上げる。
スシさんは2010年に絞り染めを独学で学び始め、7年で嵐絞り▽鹿の子絞り▽板締め絞り▽折り縫い絞り▽杢目(もくめ)絞り▽蜘蛛(くも)絞り――の6技法を習得。中部ジャワ州クラテン県のバティック工房で学んだ、自然染料の技術を絞り染めに取り入れている。
スシさん夫婦自ら袖をまくり染色作業に当たることもあり、今では1カ月あたり約100枚の注文を受けるなど好評を得ている。ボゴール市長夫人のヤネ・アルディアンさんからも20枚以上注文があったという。
スシさんは10年にソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のフェイスブック、15年にインスタグラムでアトリエのアカウントを作成。インターネット経由でストック商品の販売や絞り染めの情報を発信している。絞り染めの歴史や魅力を伝えようと、16年7月に始めたワークショップの参加者は合計100人を突破。着実に絞り染めの輪は広まっている。
スシさんは「SNSは国内で絞り染めのコミュニティーを作る一つのきっかけ。世界に通じる美しさを持っている絞りを尊敬し、技法の名前をそのまま商品名にしている。日本人にもぜひ体験してほしい」と語った。
ワークショップの定員は1回10人ほど。アトリエでは見学と合わせ、2〜3人の小規模ワークショップも受け付けている。1回の費用は材料費が全て含まれて1人当たり75万ルピア。(中島昭浩、写真も)
Shibori by Susie
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