【スナンスナン】バリに浸るぜいたくな休日 マンダパ・ア・リッツカールトン・リザーブ
玄関を奥に進むと、青々とした棚田と渓谷の眺めが待っていた。バリ島ウブド、ラフティングで知られるアユン川沿いに1年半前オープンしたリッツカールトンのリゾート「マンダパ」を訪ねた。
部屋の数は、5.5ヘクタールの敷地にスイートルームとビラを合わせて60だけ。中ほどにはリゾートができる前からあった棚田、川のそばには古いバリ・ヒンドゥーの寺院があって、一つの村を形作っている。
スイートルームの入った建物を経て、アユン川の脇に立つビラへ向かった。雨季で水かさが増した川の反対側は木々に覆われ緑の壁になってる。室内にはバリの風景を描いた大きな絵が飾られ、ベッドカバーの上にはバリ独特の手織り布が置かれていた。広々としたバスルームには大きなサラダボウルのような木製のシンクが二つ。バリらしさを取り入れたホテルは他にいくつもあるが、この高級感はリッツカールトンならではのものだろう。
この日はウブド王族の火葬式に招かれたというのに、必需品の腰布とひも(スレンダン)を持ってくるのを忘れていた。どこかで買わなければと思っているとベッドの足元に「寺を訪れる際にお使いください」とのメッセージと共にそれらが置いてあった。ついでにクロゼットにあった虫除けローションを塗り、日差しの強いバリで重宝する麦わら帽子も借りて出かけた。
夜はリゾート内にあるレストラン「クブ」で食事をした。川沿いに竹かごの「個室」を並べた思いっきりロマンチックな雰囲気。メニューは独創的な地中海・欧風料理で、外からの客が多いというのもうなずける。レストランは棚田や川を見下ろす位置にもあり、こちらではインドネシアやバリの伝統料理を出している。サラダやサンドイッチなどのピクニック・メニューなら棚田の中のあずまやで楽しむことができる。
バリ舞踊やウブド散策をしたい人には4キロ離れた中心地までシャトルサービスがある。リゾートで過ごす人にはヨガや世界文化遺産にもなったバリ独自のかんがいシステム、スバックを学ぶ散歩コースなど、無料アクティビティーが毎日用意されている。またタイミングが合えば、地元のバリ人らと一緒に敷地内の寺の祭儀に出たり、田植えや稲刈りを体験するのもいい。
総支配人のアナ・エンリキスさんは「マンダパとはサンスクリット語で寺院を意味します。その名の通り、ここではバリ文化を強く意識することでしょう。細部への配慮と共にお客さまより高い評価をいただいています」と話した。(北井香織、写真も)
◇Mandapa, a Ritz-Carlton Reserve
住所 Jl. Kedewatan, Ubud, Bali
☎ 0361.4792777
ウェブ www.mandapareserve.com