「八百萩」2号店オープン 有機日本野菜など販売 スディルマン・パークで

 自然・有機栽培した日本野菜などを販売する「八百萩(やおぱぎ)」の2号店が23日、中央ジャカルタのスディルマン・パークにあるルコ(住居付き店舗)にオープンした。今後もさらに、日本品種の種類や生産量を増やし、販売拡大を目指す。
 1号店は15年7月、日系農産物生産会社ビナデサの直営店として、南ジャカルタ区クバヨランバルのパンリマ・ポリム・ラヤ通りにオープン。同通りでは大量高速鉄道(MRT)の建設の影響で渋滞がひどく、客から行きづらいとの声もあったという。
 2号店は、邦人も多く住む中心地スディルマンのエリアに店を構えた。営業時間は午前9時半〜午後5時。日曜と祭日は休み。
 夕方に収穫された新鮮な野菜が、翌朝には店に届く。ワサビ菜やモロヘイヤ、水菜、カブ、日本で親しまれている辛みのあるダイコンなど日本品種を中心に約30種類の野菜のほか、有機認証を取ったインドネシアのコメやパームシュガー、ハチミツなども店頭に並ぶ。
 これら野菜を生産するビナデサは、中部ジャワ州ウォノソボ県に5カ所(総面積約1万平方メートル)、西ジャワ州チアンジュール県に1カ所(約3300平方メートル)の農場を保有し、今後も農地を増やしていく予定だ。
 チアンジュールの農地内では1月、大雨に影響されることなく野菜を栽培できるよう、約200平方メートルの温室を設置した。また、ボゴール農科大学(IPB)や日本で野菜栽培などの経験のある人材を採用。日本品種のカボチャやニンジン、完熟トマトなどの栽培に挑戦している。
 ビナデサの西村昭代表は「インドネシアでは近年、たくさん早く出荷することが求められており、過剰に肥料を与えて育てる農家が増えているが、そういった野菜は傷みやすい」と話す。
 自然栽培された野菜は土の栄養を吸収して育ち、栄養価が高いだけでなく鮮度が落ちにくく長持ちするという。
 また、「人材を育てることで野菜も育つ。皆さんが求めるものを作っていきたい」と、一緒に働く従業員やお客さんとできるだけ話すようにしている。
 現在は日本料理店などに野菜を卸しているが、今後はインドネシア人や地元のレストランにも購入してもらい、より多くの人に届けられるよう目指す。さらにジャカルタや近郊で新店舗を出していきたいという。(毛利春香、写真も)

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