【スナンスナン】ため息が出るほど… カルマ・カンダラ・リゾート 崖の上の絶景
ため息が出るほど美しいバリ島最南端のビーチに久しぶりに行きたいと思った。インド洋の容赦ない荒波が打ち寄せる断崖絶壁から見下ろすビーチだ。デンパサールから約1時間、バドゥン半島ウンガサンの高さ85メートルの崖の上に立つカルマ・カンダラ・リゾートを目指した。
南へ向かう主要道路から脇道に入り、曲がりくねった細道を走った。途中、数年前に来た時にはなかった新しいホテルの看板をいくつか見た。ブキット(丘)と呼ばれるこの地域は雨が少なく表土が薄いため、かつては不毛の土地と言われた。が、近年は眺めの良さが注目され観光開発が進んでいる。
部屋に入る前に、リゾート内の地中海料理のレストラン、ディマーレに寄った。目の前に迫る真っ青な海、寄せる白い波、ここからの眺めは絵のように完璧だ。しばらくすると水平線の一部が見えなくなった。雨が激しく降っているようだ。間もなくこちらでも降り出したが、すぐに止んで日が差した。丘の上から海に向かって虹がかかった。
突然、後ろの席で悲鳴が聞こえた。何かが落ちて割れる音。振り向くとパンを持った野生のサルが窓から飛び出して行くところだった。もともとはサルのすみかだったのだから仕方ない。ホテルが増えれば、サルたちはもっと大胆にならざるを得ないだろう。
カルマの部屋はすべてプールとキッチン付きのビラタイプ。この中でひときわ目立っていたのが崖の斜面に突き出たように建つ、広さ1200平方メートルの5寝室と922平方メートル4寝室の「レジデンス」ビラだ。
広いデッキのあるプールのほか、すべてがそろったキッチン、映画鑑賞室やサウナなどが備わった豪華な「別荘」で、海に面した部分は全面ガラス張りになっている。朝、目覚めたときに目に入る景色がこれならどんなに気持ちがいいことだろうか。
夕方、崖の下のビーチまでエレベーターに乗って下りた。ビーチにはその昔、上から崩れ落ちたと思われる大きな岩が転がっている。海の中は岩場が多く、泳ぎには適していない。沖の浅瀬では地元の人たちが魚やタコなどを探していた。
カルマの広報担当者は「最大の売りは海の眺めですが、キッズクラブもあり家族で楽しめるリゾート。最大の5寝室レジデンスではビラ内での10人分の食事やカクテルなどを含めた特別パッケージを用意しています」と話した。(北井香織、写真も)
◇Karma Kandara Resorts Bali
住所 Jalan Villa Kandara, Ungasan, Badung, Bali
☎ 0361・8482200
ウェブ www.karmagroup.com