【マニュファクチャリング・インドネシア特集】 長期的視点で取り組みを ジェトロ・ジャカルタ事務所 吉田雄シニア・ディレクター
インドネシア経済は、回復の兆しが見え始めた。その一方、インドネシアへの進出、投資は、中小企業にとってハードルの高いものになってきている。
だからこそ、自社製品にとっての市場の将来性を探ると同時に、投資を考える前準備として、バイヤーになりそうな地元企業と直接会って互いの意見を交換する。また、技術提携先や販売代理店となりそうな企業とのネットワークを確立するという慎重な進め方も必要となる。
インドネシアの市場としての有望性には誰も異論を唱えない。しかし、この国でのビジネス展開は決して楽なものではない。
投資を決意する前に、中長期的な要素を含む操業に関わる考え得る限りのファクターを考慮し慎重に判断を進める。そして、一度投資の決断をしたら、じっくり長期的な視点で取り組んでほしい。
投資ブームから一段落した経済の谷間にある今だからこそ、中小企業がまわりに流されることなく、インドネシア市場とじっくり向き合い、考えられる好機になると思う。
吉田 雄氏(よしだ・ゆう)
筑波大国際総合学類卒。05年、ジェトロ入構。貿易開発部、徳島貿易情報センター、機械・環境産業部を経て、14年からジェトロ・ジャカルタ事務所駐在。主に機械・環境分野を担当。35歳。兵庫県出身。