【モーターショー特集】 豊田通商、渋滞情報を配信 タクシーの移動状況で判断
日に日に悪化する渋滞の回避に役立てようと、豊田通商は、交通渋滞情報配信システムをデモ展示するブースを出展している。迂回路を選択することでスムーズな移動ができる上、特定路線への車の集中が減るため、街全体の渋滞緩和にもつながると期待されている。
製品版では、スマートフォン向けアプリと、カーナビでFM電波を受信し、道路情報を知らせるサービスの導入を検討している。早ければアプリは年末、FMは来年半ばに導入する方向で準備を進めている。
豊田通商インドネシアと豊通エレクトロニクス・タイが、中国企業のセンナナビの技術協力を得て開発した。
タクシー大手のブルーバードグループと提携し、タクシー約8千台からGPSの位置情報を収集。移動速度で渋滞の有無を判別する。
製品版では、5分毎に道路状況が更新される。車の流れが20キロ以下の路線は赤、20−40キロ未満は黄、それ以上は緑で色分けし、運転者に視覚的に伝える。
デモ展示では、今年6月のデータを整理。当時の同じ曜日や時間帯のデータを基に、現在の交通状況をシミュレーションしている。
ジャカルタでは、乗用車に乗る人の多くは運転手付きの車に乗る高所得者層の比重が高かったことなどを要因に、カーナビの普及はまだ進んでいないが、豊田通商は中所得者層の増加とともに、車の持ち主自身が運転するケースが増えると予想。カーナビの需要は確実に増えるとみている。
今後は交通事故や洪水、給油所、駐車場など、付加価値の高い情報提供を検討。第一弾として渋滞情報サービスの提供を始めることで、道路環境を把握する情報網を整備するとともに、市場シェアを握りたい考えだ。