「一人じゃないぞ!」 養護施設で藤岡さん 子どもらと交流

 来イ中の武道家で俳優の藤岡弘、さんが30日、中央ジャカルタのブンドゥンガン・ヒリルにある児童養護施設「プトラ・ヌサ」を訪れた。一緒に過ごした7〜13歳の子ども20人に「仮面ライダーはいつもみんなの側にいる。いいかい、みんなは一人じゃないぞ」と語りかけた。
 10月1、2両日、ポップカルチャーの祭典「インドネシア・コミックコン(ICC)2016」に出演する藤岡さん。これまでも日本や海外で、両親のいない子どもや被災者の支援活動をボランティアで続けてきた。
 同施設での交流イベントは午後2時すぎから約2時間続き、藤岡さんは子どもたちに「日本からはるばる来ました。一生懸命勉強して、頑張って、生きて生きて生き抜いてほしい。日本や世界の子どもと素晴らしい未来を築いてほしい」とエールを送った。
 イベント中、藤岡さんが主演した「仮面ライダー1号」の最新映画とインドネシアの特撮映画「ワイルド・ウォードン・レンアイガー」(2012年)のダイジェスト版上映、仮面ライダーのお絵かきや変身ポーズのコンテストもあった。子どもらには食事とプレゼント、同施設には「愛、勇気、夢」と書かれたサイン入りポスターとメッセージ付きの色紙が贈られた。
 藤岡さんを間近で見た中学生のパズリ・リスキ・ラマダン(13)は「(藤岡さんは)何か特別な感じがした。礼儀正しい感じも良かった。お絵かきゲームがとても楽しかった。勉強を頑張る」と話した。
 一方、藤岡さんは初めて交流したインドネシアの子どもたちについて「ヒーローの映像を真剣に見て、みんな輝いていた。インドネシアの未来をここの子どもたちが背負っていくと信じている。最悪の中で生きる子どもたちは、使命が大きい。それだけの試練を超えたときに強くなれる」と語った。
 同施設は1958年に創設された。両親のいない子どもをアチェ州や西スマトラ州パダンなどから受け入れている。現在は7〜18歳の男女85人がいる。施設責任者のハジ・ブニヤミンさん(69)は「きょうは(藤岡さんが)来てくれたことが一番。子どもたちも勇気づけられたことでしょう」と話した。(中島昭浩、写真も)

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