若手作家挑戦の場に コンペに500作品集まる 短編映画の祭典「ハローフェスト」

 短編映画・音楽の祭典「第11回ハローフェスト」が24、25の両日、中央ジャカルタで開かれた。2004年の第1回から年々規模を拡大し、ことしは初めてジャカルタ・コンベンションセンター(JCC)プレナリーホールでの開催となった。主催者として国内若手作家の育成に尽力してきたアニメーション作家のワフユ・アディティアさん(36)は「フェスティバルのコンペティションにどんどん挑戦してほしい」と話す。
 短編映画(8秒、30秒)のコンペティションには、アニメや実写、タイポグラフィなど、さまざまなジャンルの約500作品が国内全土から集まった。
 優れた作品は、東京へ送られ、デジタルコンテンツの先端技術発表や展示を行う「アジアグラフ」に出展される。アジア最大級の日本の国際短編映画祭「ショート・ショート・フィルム・フェスティバル&アジア」とも、応募作品をオンラインで審査してもらうなど協力関係を結んでいる。
 「フィルムフェスと音楽を一緒にやりたかった」と話すワフユさん。約20ブースある会場を抜けたホール奥には大きなスクリーンを設置。座席はなく、思い思いの姿勢で、コンペ応募作や短編映画の上映、地元アーティストのライブを楽しめる。昨年から準備してきたローカルコンテンツのブースには、商品化のライセンスを取得したキャラクターのグッズが並ぶ。いずれも地元クリエーターが生み出し、アニメ映画製作中のキャラクターもある。
 ワフユさんは「地元デザイナーの独自のスタイルができつつあり、産業は昨年よりも上向いている。(フェスティバルを)ビジネス、マッチングの場にしていきたい」と期待する。
 JCCプレナリーホールで開催するほど規模が拡大した同フェスティバルだが、12年前に開かれた第1回の会場はパイプ椅子を敷きつめた一室。映画をプロジェクターで上映するだけで、参加者はわずか300人だった。その後、協力者や参加作家が増え、13年には約3万3千人が訪れた。ことしの来場者は4万人を超す見込みという。
 フェスティバルを一大イベントに育て上げたワフユさん。04年には、アニメーション専門学校「ハロー・モーション・アカデミー」(南ジャカルタ区テベット)を創設し、若手作家の育成にも取り組んできた。現在では最大10人1クラスのプロフェッショナル講座が2クラスに増えた。
 09年には国際交流基金の事業で日本の大学などを約40日間訪問し、最新のアニメ制作工程などの研修を受け、日本のアニメーション産業を肌で感じた。今後、若手の成長には厳しい競争に勝ち抜く、強い気持ちが必要と感じており、「コンペティションで勝ちたいと思い、試行錯誤することが勉強につながる」とエールを送り続ける。(中島昭浩、写真も)

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