【スナンスナン】見た目はビール? コールドブリューコーヒー Bear & Co.
しゅわっとはじけるさわやかな味。真っ白な泡とともに注がれる黒い液体……。「びっくりした? まるでビールのようでしょ? でも全部コーヒーなの!」と話すのはカフェ「Bear&Co.」のオーナー、ディアンさん(39)。中央ジャカルタのイスティクラル・モスクが面しているフェテラン通りに7月にオープンしたカフェで、コールドブリューのコーヒーにこだわっているお店だ。
水だし製法のコールドブリューは温かいコーヒーとは一味違った味わい。ディアンさんは「暑いジャカルタではぴったりのコーヒーよ」と話す。コールドブリューはカフェインが少なく、体にやさしいという。「コーヒーが大好きだけど胃を痛めてしまって。カフェインを控えたコーヒーを探していて、行きついたの」。ここでは冷たいコーヒー3種類が楽しめる。
まずは「コールドブリュー」。トラジャのコーヒー豆を使用し、常温の水で24時間かけて抽出する。見た目はギネスビールのよう。コクがあり、ほどよい苦みが後を引く。白い泡もなめらかだ。
二つ目はコーヒーを抽出する際、音楽を使う「ソニック・アシステッド・ブリューイング・メソッド」。ディアンさんによると、曲によって味も変化するそう。同店にはブルースとクラシック、ビートルズの3種類のコーヒーがある。
「ブルース」のコーヒーを試飲。見た目はウイスキーのような黄金色で、香りもさわやか。あっさりとした酸味があり微炭酸なので、暑い日にぴったりだ。
三つ目はよくあるが、氷を入れたグラスに熱いコーヒーを注ぐ方法。最もフルーティーで、誰でも飲みやすい味だ。
飲み物は大半が3万5千〜5万ルピア。ディアンさん手作りのドーナツ(一つ1万5千ルピア)やブラウニー(同2万ルピア)などはおやつにぴったり。軽食もあり、ピリリと辛いナシ・アヤム・サンバル・マタ(同3万8千ルピア)やナシ・バカール(同3万5千ルピア)、ラザニア(同3万5千ルピア)などもある。
ディアンさんは2年前、毎週日曜に実施しているカーフリーデーに、路上でコーヒーを売り始めた。
その後、南ジャカルタにある伝統市場「パサール・サンタ」に店を構え、コールドブリューコーヒーを提供すると評判に。「コールドブリューはまだまだ知られていない市場で大きな可能性を秘めている」と考え、ディアンさんの職場に近い場所を選んで、新たに店をオープンした。
名前やメニューの由来となっている「Bear」は、ディアンさんが3人の子どもを「リトル・ベアーズ」と呼んでいたことから。決して広くない店内だが、靴を脱いで上がることもでき、ディアンさんの温かいもてなしで、まるで家でくつろいでいるようであっという間に時間が過ぎる。週末には子ども連れの家族でにぎわうこともあるという。(毛利春香、写真も)
◇Bear & Co.
住所 Jl. Veteran I No.1, Gambir, Jakarta
☎ 021.2148.1800
営業 月〜木 午前7時〜午後7時
金・土 午前7時〜午後9時
日 午前7時〜午後5時