【ショップ】クンダンを楽しんで スラバヤ通りの伝統楽器店
中央ジャカルタ・メンテンの骨とう品市場「スラバヤ通り」の北側から50メートルほど進むと、ガムラン演奏で使われる太鼓、クンダンが歩道にはみ出て置いてある店がある。屋号はない。
「名前など決めなくても商売はできるし、あまり考えたことがない」と笑う店主のトトさん(61)は中部ジャワ州プルウォクルトの出身。南ジャカルタのホテルで働いていたが2002年に店を開いたという。
豊富な骨董品やガムランに使う鍵盤打楽器のサロン・ドゥムン、竹でできた打楽器アンクルンも店内には陳列されているが、一番こだわりがあるのはクンダンだと断言する。クンダンは木をくりぬいて水牛やヤギの皮を張って作る。奏者の膝の上に水平に置く、または台に載せて手でたたいて音を出す。
両手でたたくタイプと西アフリカの打楽器ジャンベに類似した片手でたたくタイプがある。大きいタイプは3500万ルピア。小さいタイプは30万ルピアで販売している。バリ州や西ヌサトゥンガラ州ロンボク島で作られた、小型の片手でたたけるクンダンを多く扱う。
理由は「小さい方が安いし、たたきやすい。多くの人に楽しんで使ってもらえるから」だという。
各地の業者と取り引きがあり、入手したクンダンを磨き上げ、ニスを塗り各部を点検する。商品の状態で注意する点については「水牛やヤギの革を使用しているため保存状態が悪いといい音が出ないし、破れてしまう。品物を選ぶときに最も重要な点」だと語る。
「楽器にはそれぞれ持ち味がある。大きな和太鼓にはないリズムがクンダンにはある」と胸を張った。(平野慧、写真も)
伝統楽器店
住所 Jl.Surabaya kios No. 170, Menteng, Jakarta
☎ 0821・1142・0445
営業 午前8時〜午後5時