楽しむためのスペース ルチズ・ジョイント 食事も展示も会合も

 「ジャカルタで楽しめる新しい場所をつくりたい」。そんな思いから昨年末、南ジャカルタ・スルヨ通りにオープンした「ルチズ・ジョイント」。展示会やさまざまな食べ物、ワークショップ、ミーティング、ライブなど幅広く楽しむことができ、若者のアイデアとコンセプトがあふれるスペースだ。
 もともとは2014年10月に若手の芸術家らが集まり、ギャラリー「ルチ・アートスペース」としてオープンした。現在のオーナーは6人で、ディレクターのメリン・メリルさん(27)をはじめ、20代後半〜30代前半の若者がアイデアを出し合って経営している。2階は展示会などを実施するギャラリースペースで、1階がカフェスペースとなっている。
 メリルさんは「ジャカルタには海外と比べると、楽しめる場所がまだまだ少ない。また、ただの『カフェ』ではなく、新しいアイデアで、アートや食べ物など、一度にいろいろ楽しめる場所が必要だと思い、このカフェが生まれた」と話す。アートが飾られた店内には、若者が多く集まる。
 カフェ内には6種類のカウンターが並び、好きな店で注文できる。店とカフェの契約期間は、延長もできるが基本は3カ月。本格的にビジネスを始める前にここで店を開き、アドバイスや販売状況などを知ることができるしくみだ。地方やネットのみで販売していた店や、本職の傍ら飲食ビジネスを始めた若いオーナーらが集う。
 「OndeMonday」は西スマトラ州パダンから来た。パダンの伝統料理であるルンダン(牛肉のココナツ煮)を白いご飯にのせた「ルンダン・ライスボール」(6万5千ルピア)は、4〜5時間かけ柔らかく煮込んだ甘辛い牛肉とぴりっと辛いスパイスが後を引き、ご飯が進む。
 バリから来たジャカルタ1号店の「Nebula Seni」はフルーツをたっぷり使ったスムージーにフルーツやアーモンド、ココナツなどをトッピングしたヘルシーなデザートで、女性に人気だ。
 ネット販売のラザニア専門店「Lachlan」は初出店。サラダや中華料理、ちょっとした日本料理、コーヒーやアルコールもあり、近くバーがオープンする予定だ。次に店が入れ替わるのは3カ月後の9月ごろだという。
 メリンさんは「『ルチ』はサンスクリット語で、光や喜び、味や好みといった意味を持つ。皆で創り上げていくこの場所は、とても刺激的で学ぶことも多い。さまざまな人が集まることで、新たなインスピレーションを生み出していきたい」と笑顔で話した。(毛利春香、写真も)

Ruci’s Joint
住所 Jl. Suryo No. 49, Kebayoran Baru, Jakarta
☎ 0812・1010・3374

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