【スナンスナン】漁師一族のツナバーガー ヘルシージャンクフード ポール&ライン
土日は午後1時に店を閉める。祝日は休む。漁師一族が2015年8月に始めた?ヘルシージャンクフード?が売りのハンバーガー店「ポール&ライン」は、健康志向の人やサイクリングを楽しむ人たちの間で知る人ぞ知る隠れ家。海を愛する男たちの豪快さと優しさがこもった手作りツナバーガーだけがメニューだ。
オーナーはイルファンさん(35)とアグンさん(35)、アレックスさん(31)、リスキーさん(25)の4人。アレックスさんの父は1970年代から中部ジャワ州プカロンガンで漁業を営んでいる。4人は互いにいとこ同士で08年、マルク州アンボン周辺でマグロ漁を主体とする漁業会社「スチーム・フィッシャリーズ」を立ち上げた。今では国内市場をはじめ、福岡や東京に輸出するまでに成長した。
シェフを担当するアグンさんは「100キロの大物も釣り上げた」と写真を指差して自慢げに話す。1回3〜5カ月の漁で、80〜200トンのキハダマグロを水揚げするという。
そのマグロを具材に使う。北ジャカルタ・ムアラバルの港にある自社冷蔵庫に冷凍保存してあるストックから運んだマグロをアグンさんの自宅で解体。細かく切り分け、半生の状態まで火を入れてからスパイスとともに1晩漬け込む。「スパイスは数種類組み合わせているけど、何かは秘密」とアグンさん。
店で使うパンは自家製。カリッと香ばしいフォカッチャとしっとりとしたバンズの2種類がある。
注文が入ると、漬け込んだマグロに完全に火を通し、具材を作り上げる。卵白とヨーグルト、酸味とほのかな甘みや香りづけにトゲバンレイシの果汁を混ぜた自家製マヨネーズと低脂肪チーズ、レタスを挟んだら完成。付け合わせのサツマイモのフライは口当たりが軽く、食後も胃がもたれない。
「ツナバーガーはジャカルタで初めてじゃないかな。俺たちが目指すのは『ヘルシージャンクフード』。この界隈はサイクリングやジョギング、ジム帰りの人がよく来るんだ」とイルファンさん。メーンメニューはバンズの「バーガー」とフォカッチャの「サンドイッチ」の二つ(いずれも5万ルピア)。他にツナだけの「チリ・コン・アトゥン」(5万ルピア)、目玉焼きとチーズ、トマトを挟んだ「トースト」(3万ルピア)もそろう。ゴジェックの宅配サービスにも対応している。
リスキーさんは「実は日本人が来店したのは初めて。よく見つけたね」と驚いた。イルファンさんとアグンさんは「今はテーブルが五つに最大で12人。外のカウンターは5席だけ。今後は立ち食い席でも増やすかな」。ポール&ラインは4人のサイドビジネスであり、「今後もゆるりと続けられれば」と笑った。(中島昭浩、写真も)
◇Pole & Line
住所 SCBD Lot.6, Jakarta Selatan
☎ 0813・8551・1661
営業 月〜金:午前10時〜午後8時
土・日:午前7時〜午後1時
祝日は休業