【スナンスナン】コーヒーしかない専門店 スラバヤ通りのギヤンティ
中央ジャカルタ・メンテンの骨董品などが並ぶスラバヤ通りに、コーヒー専門のカフェがあるのをご存じだろうか。細い脇道を抜けた先にたたずむ「ギヤンティ・コーヒー・ロースタリー」。厳選されたインドネシアのコーヒーが味わえるとあって、毎朝多くの人が思い思いの時間を過ごしている。
オーナーのハンドリック・ハリアントさんが、インドネシア各地で、安い賃金で貧しいながらも働くコーヒー農家の現状を変えたいと4年ほど前にオープンした。インドネシア各地のコーヒー農園へ足を運び、豆を厳選。直接農家と契約を結んで仕入れているため、同店でしか味わえないコーヒーも多い。
時期によって変わるが、ジャワ島や南スラウェシ州トラジャ、スマトラ島、東ヌサトゥンガラ州フローレス島などから22〜30種類のアラビカ種のコーヒー豆を扱う。毎日2種類のコーヒー豆を使用し、ブレンドはしない。豆は毎日変わるため、毎朝訪れたり2種類のコーヒーを注文したりする客も多いという。
おすすめの飲み方はミルクとエスプレッソが半分ずつ混ざった「ピッコロ」(1杯3万6千ルピア)。コーヒー本来のうまみの中にミルクのほのかな甘みがあり、深い味わい。注文の際にはライトかミディアム、ストロングの3種を選べ、エスプレッソの量で調節してくれる。
同店の広報担当を務めるナターシャさんも同店のファンの1人だ。「コーヒー以外の飲み物は提供しません。コーヒーを入れる人にも飲む人にも、どこで、どのように作られ、どんなコーヒー豆なのかきちんと知ってもらえるコーヒーの専門店でありたいからです」 ナターシャさんが日本人向けにおすすめするコーヒーは「Java Jampit」。収穫量に限りがあり少し値段は高いが、ワインのように芳醇な味わいで特に日本人に人気。コーヒー豆も販売しており、お土産にもぴったりだ。
ケーキやパイなどのスイーツは、すべてハンドリックさんの奥さん手作りのホームメードなレシピ。
フランスの洋菓子でハチミツを使って焼くカヌレ(一つ2万5千ルピア)は、エスプレッソとキャラメルを混ぜたソースがついてくる。外側は香ばしく、中はしっとりもちもち。チーズブラウニー(同3万7500ルピア)も人気だ。ミートパイは土曜限定で食べられる。
営業は水曜〜土曜、午後5時半まで。「毎日もっと長く開けてほしい」とよく言われるそうだが、インドネシア中を飛び回ってコーヒー豆を厳選したり、ローストする時間が必要。またカフェインの多いコーヒーを夜に飲むことをすすめておらず、夜遅くまで営業しないという。
インドネシアでしか味わえない、こだわりの1杯をぜひ。何度も通ってみるのもおすすめ。(毛利春香、写真も)
◇Giyanti Coffee Roastery
住所 Jl. Surabaya No.20, Menteng, Jakarta
☎ 021.3192.3698
営業 水〜土曜 午前9時半〜午後5時半
ウェブ www.giyanticoffeeroastery.com/