【スナンスナン】 「塗り絵」の世界に没頭 大人女子にブーム 「アートセラピー」にも

 「ストレス発散に良い」「時間を忘れて没頭できる」。緻密に描かれたイラストを塗る作業に集中することで心が癒やされると、世界で流行した「大人の塗り絵」が今、インドネシア人作家の手によって次々と生み出され、大人女子の間でブームとなっている。

 中央ジャカルタの大型書店グラメディア・グランドインドネシア店には、3カ所に特設コーナーがある。草花や動物、人、バティックモチーフなどをテーマにインドネシア人作家が手掛けた約40種類が並ぶ。
 書店員のルビー・リエスタさんは「昨年4月には数種類だったが、あっという間に類本が増え、年末に特設コーナーを作った。購入するのはほとんど女性で、20〜50代に人気」と話す。
 画材も豊富に取り扱う。初心者は色鉛筆を選ぶことが多いが、「より細かい塗り絵をする上級者はペンを好む」とルビーさん。60色のペンと50ページの塗り絵のセットボックスも好評だ。
 大人の塗り絵は近年、日本でも流行。欧米でのブームを受け、2013年に英国で出版された本の日本語版『ひみつの花園』(グラフィック社)が刊行されると、ハマる大人女子が続出した。インドネシアでもストレス解消や癒やし効果がある「アートセラピー」として注目されている。
 火付け役となったのが昨年6月に出版された『My Own World(マイ・オウン・ワールド)』(レネブック社)。初心者でも取り組みやすいシンプルさが受け、思い思いに色づけした作品を投稿した読者らのインスタグラムが話題に。第1弾の好評を受け、9月に第2弾、12月に第3弾、今月に第4弾と次々出版した。今年に入って持ち運びに便利で価格も5万ルピア台に抑えたトラベルサイズも発売。シリーズの累計発行部数は11万2500部に上る。
 担当編集者のラティ・ラマジャワティさんらが欧米での塗り絵流行にいち早く目を付け、インドネシア人作家によるオリジナル本の出版に踏み切った。
 1作ごとに異なるテーマを採用し、読者を飽きさせない。3作目は家族向けの「ファミリー・エディション」で、両開きのページの左側には子ども向けのシンプルな塗り絵、右側にはより緻密な大人の塗り絵を同じテーマで描き、親子で楽しむことができる。
 書店には毎月のように大人の塗り絵本が入荷される。一人の時間を楽しむだけでなく、友人や家族など大切な人と時間を共有したり贈り合ったりと、楽しみ方も広がっているようだ。(木村綾、写真も)

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