【スナンスナン】新鮮魚介を屋外で 焼いても蒸しても炒めても バハリ52
西ジャカルタ・コタ地区にひときわ明るい光を放つ海鮮料理屋を見つけた。テーブル・調理場の上に屋根のあるガレージ風の開放的な作りが印象的な「バハリ52」だ。食材は全て当日取れた魚介類。9月の開店以来、早くもリピーターの地元客や旅行客が訪れる人気店になっている。
屋台やレストランが軒を連ねるコタ地区だが、夜、店を見つけるのは難しくない。軒先の道路を照らし出すほどまぶしい明かりで輝いているからだ。
注文は食べたいものを指差すだけ。さまざまな種類のエビや魚が泳ぐ水槽や、氷詰の陳列棚から好みの食材を選び、その場で重さをはかり、調理方法を伝える。「(店として)オススメの調理法もあるが、お客さんがいいと思う方法が一番」との思いから、同じ魚でも、炭火で焼くのか、蒸すのか、ゆでるのか、油で揚げるのか……自由に選ぶことができる。インドネシア語が分からなくても食材を指させば注文できるし、英語のわかる店員もいるので、外国人にも人気のシステムだという。
店頭の魚介類は毎日仕入れている。ジャカルタ近海で取れる魚介類に加え、カニなど一部は南カリマンタン州バンジャルマシンから空輸している。並べられた魚を触らせてもらうと、どれも身に弾力がある。冷凍ものは一つもない。
看板メニューの「スモーク・クラブ」。油でさっと揚げたノコギリガザミをバナナの葉で包み、炭火で5分間スモークしたインドネシアの伝統料理だ。揚げる前に、さっとゆでるのがバハリ流。店主のヘンドリックス・ローさん(56)が「作り方は絶対に教えられない」と話す秘伝の甘辛ソースとホクホクの身の相性が絶妙だ。値段はカニの重さにもよるが1皿15万ルピアほど。
炭火で焼いたシマアジを、トマトと赤タマネギ、唐辛子を合わせた「ダブダブ」ソースでいただく料理(約8万5千ルピア)や、マテガイの黒コショウ炒め(約3万ルピア)などが人気。夜風に漂う炭火の香りと、キンキンに冷えたビールが食欲をそそる。
インドネシア全土に店を持つヘンドリックスさんだが、屋外型店舗はこれが2店目。「まだまだ実験段階だよ」と笑うが、屋台より清潔でレストランより入りやすい独特の雰囲気が好評で、来年2月には3店目を計画中だ。「もっとたくさんの人に楽しんでもらいたい」と話している。(平嶋健人、写真も)
◇BAHARI 52
住所 Jl. Mangga Besar 1 No.1J, Tamansari
Kota Jakarta Barat
☎ 0812.1091.6889
営業 午後5時〜翌午前0時