【スナンスナン】世界に一つだけの椅子 ジャカルタ・ビンテージ
南ジャカルタのモール「ダルマワンサ・スクエア」の地下1階にある「ジャカルタ・ビンテージ」。緑の扉を開けると、こじんまりとした店にさまざまな椅子やソファが並ぶ。ビンテージ家具の中でも特に椅子が大好きなルトフィ・ハサンさんが開いた店で、リメークしたビンテージの椅子を販売している。
ルトフィさんは幼いころからビンテージ家具に囲まれて育った影響もあってか、2010年ごろから「ビンテージもの」を集めることに夢中になり始めた。その後、12年に集めた物を紹介するブログを始めたところ、コレクターや地元メディアの注目を集めた。
「どうしてオリジナルのものを作ってみないの?」と言われたことがきっかけで、初めてビンテージの椅子をリメークしたという。12年にはインドネシアと世界から集めたビンテージ品を掲載したオークションのための本を出版。13年に「ジャカルタ・ビンテージ」をオープンした。
ルトフィさんが最も好きなのは1940〜70年代に作られたもの。古過ぎずモダンで、装飾も派手過ぎない。シンプルで小さいものが多く、現代の家庭に置いて使うのにも適しているという。
リメークする際のこだわりは、グレーやブラウンなど暗色系は使わず、カラフルに仕上げること。
「椅子を見たり座ったりする人がハッピーでピースフル、そして楽しい気持ちになれるようにしたいから」
インドネシア各地から集めた木の椅子に、世界中から集めた布地やルトフィさんがデザインした布をあてる。日本にも度々足を運んでおり、着物の生地を使った椅子も作ったことがあるという。
販売は基本は椅子のみで、1脚400万ルピアから。カフェやホテルなどから依頼があると同じデザインの物をまとめて作成することもあるが、それ以外は世界に一つだけの椅子。オーダーにも対応しており、海外へ届けることもあるという。
「ビンテージの椅子に座ると、楽しかった子どものころに戻ったような気持ちになる。椅子を通じてみんなにも幸せな気持ちを届けたい」。そう話すルトフィさんは実にいい笑顔を見せるのだ。(毛利春香、写真も)
ジャカルタ・ビンテージ
住所 Darmawansa Square B47. JL Darmawangsa VI &IX Kebayoran
Baru Jakarta
☎ 021・7278・0260
営業 午前10時〜午後6時電話