【スナンスナン】これもインドネシア オリジナルスカーフ パサール・ユニック89
ショッピングモール「ブロックMスクエア」一角の2畳ほどの小さなスペースにスカーフやクッションなどカラフルな布小物が目をひく店「パサール・ユニック89」を見つけた。落書きのようなタッチで描かれたデザインはまさに「ユニック(ユニーク)」。スカーフのひとつを手に取り広げると、そこにはインドネシアの景色が広がっていた。
独立記念塔(モナス)のナイトマーケットからアンチョールのアートマーケットまで、ジャカルタにある六つの市場の風景が描かれているのは、ふんわりシフォンのスカーフのキャンバスだ。
スカーフを作るのはシルフィア・ハルジャントさん(39)。昨年7月から制作を開始し、ことし1月に自分の店「パサール・ユニック89」をオープンした。
にぎやかな印象の白地のスカーフには、サテを売る屋台、カリマンタン島のダヤク人、バティック職人、伝統薬ジャムーを売り歩く人、世界最大の花ラフレシア……「買った人がインドネシアのことを説明できるように」というコンセプトで作った1枚は、お土産に最適といえる。
クレヨンや色鉛筆で紙に絵を描き、スカーフにプリントする。これまでに作ったスカーフは約20種類で、1作品ずつコンセプトを決めて手描きするため、製作には1カ月ほどかかることもある。
スカーフは1枚20万ルピア。カスタマーオーダー(1枚50万〜70万ルピア)も受け付けており、リクエストに沿ってシルフィアさんがイラストを描き、スカーフにする。
シルフィアさんはもともと路上でおもちゃや雑貨を売っていた。大半は中国製の商品だったが、どうしてインドネシアのものがないの、という客の声をきっかけに自分でもの作りを開始。木製の人形にペイントしてバザーで売るなど、徐々にハンディクラフトを始め、自分の店を持つまでに至った。
シルフィアさんのデザインは独学だ。日本の切り紙やバティックのワークショップなどに参加し、作品に生かす。「数多く存在するハンディクラフトの世界で生き残るためには、人と違うものを作らなければ。常に新しいものにチャレンジしていきたい」と話し、今は油絵に挑戦中だ。(木村綾、写真も)
◇ Pasar Unik 89
住所 Blok M Square Lt. GF Blok D No.188
Jl. Melawai V, Kebayoran Baru
☎ 0858.8078.9089
営業 午前10時〜午後6時、月曜定休