スラバヤから日本へ 「アルバ」が留学制度
東ジャワ州スラバヤ市にあるファッション専門学校「アルバ」が来年4月から日本への留学制度をスタートさせる。専門学校からの留学は珍しく、ファッションの分野でも日イ交流を深めるきっかけになりそうだ。
アルバは現在、同校の調査・開発長を務めるアリアニさんが1989年にスラバヤで始めたファッションの専門学校で、開校当初はミシン一つを学生4人で使う小さな学校だった。アリアニさんによると、かつてはデザイナーになることに反対する親も多かったが、ここ10年で考え方が変わっているという。手に職をつけられるだけでなく、海外へも道が開けるデザイナーの仕事への評価が高まり、若者を中心に学生数が年々増加している。
現在はインドネシアで教育事業を担う「スバルナ・エデュ・グループ」が経営を引き継ぎ、今月8日に旧校舎の3倍の広さとなる延べ1500平方メートルの5階建て校舎が完成。600人の学生が通うだけでなく、海外からのデザイナー向け宿泊施設も備えた。
日本のファッションデザインを参考にする学生も多いことから、日本各地で専門学校を運営する学校法人「滋慶学園グループ」と提携を結び、来年4月から同グループ法人で北海道にある「札幌ベルエポック美容専門学校」への留学制度を開始する。日本語の授業も設けるという。
スバルナ・エデュ・グループのヘルマン代表は「日本は原宿ファッションなどインドネシアにはない新しい視点や技術、アイデアを学べる良い場所」と説明。日本のアニメが好きでコスプレを楽しみながらファッションを学んでいる学生もいるという。
一方、世界的にムスリムファッションへの注目が高まっており、海外からインドネシアを訪れるデザイナーも増えている。ヘルマン代表は「スラバヤでもファッションイベントが増えてきた。ムスリムファッションの分野で、インドネシアは世界的に注目されている。海外とのつながりを持ちながら視野を広げ、優秀なデザイナーが生まれるようにしていきたい」と話している。
アルバでは11月に学生作品のファッションショーを開く。(毛利春香、写真も)