【スナン・スナン】地球に優しい木工製品 カリマンタンの再生材使用 カルティンバー
バリ島ウブドに近いバトゥアン村に、カリマンタン島の再生材木だけを使った床張りや家具を製造販売する「カルティンバー」がある。建て替えにより解体された古い桟橋や家屋の材木で、その多くが今や絶滅が危惧されている「鉄の木」など建材としては最高級のものだ。
裸足になってサンプルの木の床張りに立つと温かい木の感触が伝わってきた。自分の家の床がこれなら、どんなに気持ちのいいことだろう。
木の種類はインドネシア語でウリン、その硬さからアイアンウッド(鉄の木)とも呼ばれる。高密度で文字通り鉄のように硬く床張りには理想的だが、1年でわずか2ミリしか成長せず、直径20センチの太さになるまで100年はかかるという木だ。
店を開いたのは東カリマンタンで森林保存活動に関わっていたカリマンタン育ちのヨガさんとオーストラリア人の妻アレックスさんだ。バリで自宅を建てることにした2人は、環境に優しい建材を使いたいと考え、ヨガさんの実家のつてでカリマンタンの再生材を手に入れた。その際、ホテルやヴィラが増え続けるバリで再生材木の重要が増えていることを知り、ビジネスにすることを思いついた。
「違法伐採が横行しているインドネシアで新たに伐採された木を使うことは森林破壊に繋がりかねない。人々が再生材を求めるのは森を守りたいという強い思いから」とアレックスさんは話す。しかし再生とはいえ問題はある。
例えば、完成してまだ15年ほどしかたっていないウリンで作った橋が、その必要性がないのに解体され、新たに伐採した木で再建される。そして解体された木材が需要の高いバリで再生材として出回ることがあるそうだ。
「買うときは合法的なものであることを証明する文書や写真があるかチェックしてほしい。私たちが扱う木材は全て合法的に調達されたものです」
インドネシアの一般的な家についてアレックスさんは「いい材木を使っていても技術不足で家が本来より早く傷んだり、シロアリの被害にあったり、雨漏りなどの問題が起こりやすい。正しい方法で建てて長持ちする家を作るのも環境を守ること」と話した。(北井香織、写真も)
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