スラバヤ市民の憩いの場 子どもからお年寄りまで ブンクル公園
東ジャワ州スラバヤ市のラヤ・ダルモ通りにあるブンクル公園。2007年に造られ、13年にはアジアの優れた建造物や街並みをたたえる「アジア都市景観賞部門賞」を受賞した。緑豊かな空間で、幼い子どもからお年寄りまで、スラバヤ市民の憩いの場として親しまれている。
園内にはマラソンコース、庭や池、水飲み場、トイレ、Wi―Fiなどを完備。警備員がおり、インフォメーションセンターもある。ごみ箱も多数設置されており、園内はきれい。公園のすぐ裏手にはモスクがあり、ワルンやカキリマもある。木陰でくつろぐ人やデートするカップル、家族で食事を楽しむ人など、誰もが思い思いの時間を過ごす。
子どもの遊び場「プレイ・グラウンド」にはすべり台やシーソー、ブランコなどがあり、幼い子どもたちが元気いっぱい遊ぶ。サリナさん(39)は娘のザラちゃん(6)と毎週末、ブンクル公園に足を運ぶという。「ここは子ども連れの家族が多くて親も子どもも安心して遊べる」とシーソーで遊ぶザラちゃんを見つめた。
ユディさん(41)は娘のエナちゃん(2)とブランコに乗り、歌を歌ってあやしていた。「妻は今ジョギングに行っている。ここでは幼い子どもをあやす父親の姿もよく見かけるよ」と話した。
スケートボード場では、小学生から大学生までが仲良く遊ぶ。坂に駆け上がって何度も滑り降り、スケートボードの技を夢中で磨く若者たち。友人らはスマートフォンで写真を撮りながら声をかけたり、拍手を送ったりする。スケートボードを走らせる音が絶え間なく響いていた。
カメラを手に訪れる人の姿も多く見かけた。コハンさん(53)は毎週末ブンクル公園を訪れる。写真を撮るのが趣味だという。「自然が美しいし、のんびりとくつろぎながら良い写真をとるのが楽しい。スラバヤ市民の誰もが好きなスポットだよ」
円形の広場は、周囲から中央を見下ろせるようになっており、憩いの場としてはもちろん、学校や団体が踊りなどの練習、発表の場として使うことも多い。記者が訪れた2月21日は同市のスマ・カトリック高校の生徒400人がダンスの練習をしていた。翌日の日曜のカーフリーデーに合わせ、リハーサルをしているという。
同校の教員ベルナスさん(41)は「授業の一環でダンスを練習してきた。スラバヤに住む人にとって親しみのある場所で練習し、発表できるのは学生にとって良い経験になる」と話した。
ブンクル公園に面しているラヤ・ダルモ通りは毎週日曜日にカーフリーデーとなり、住民でごった返す。公園内も朝ごはんを食べたり、一休みしたりする人で埋まる。
カーフリーデー当日の午前6時〜同7時半、同校の生徒たちは円形広場でさまざまなダンスを披露した。観客らが広場を囲み、早朝から生徒の元気なかけ声が響く。ジョギングの合間に足を運んだミアンさん(28)は「生徒たちから元気をもらい、気持ちよく朝を迎えられた。ブンクル公園にはいつも人が集まり、市民同士で交流できる大切な場所」と笑った。(毛利春香、写真も)