「夢の実現を」 卒業を祝う会開く JJS中3

 ジャカルタ日本人学校(JJS)中学部三年の保護者は十七日、中央ジャカルタのインターコンチネンタル・ホテルで卒業を祝う会を開いた。三年生四十一人と保護者、教師たちは、受験で年明けから各地へと旅立つ前に、子どもの新たな門出を祝った。

 子どもたちはスーツ、ドレスに身を包み、いつもより大人らしいいでたち。春日原美樹さんが三年生を代表し「中学生生活を盛り上げてくださった先生方、支えてくださった保護者の方々、ありがとうございました」と感謝の言葉を伝えた。
 その後、生徒全員が壇上で「旅立ちの日に」を合唱すると、生徒たちの船出が近づくようだからか、会場は胸が詰まる空気に包まれた。見守る保護者、教師の中には目をうるませる人もいる。
 子どもたちに先生からたくさんの言葉や歌が贈られた。三年主任の吉田俊朗先生は「みなさんは私の自慢と誇り」と話した。三年生担任の中澤暢雄先生、中川舞先生、竹内弓乃先生とともに「贈る言葉」を歌うと、子どもたちはじっと先生たちを見すえた。
 岩本校長は「皆さんが活躍する姿を新聞で見たい」と期待を込めた。工藤教頭も「これから二十年かけて夢を実現してほしい」と激励した。「先生たちの言葉と歌に感動した」(高橋星妃さん、佐藤壮一郎さん)。
 保護者がボランティアで編集したビデオ・クリップも上映された。動画とスライドショーを差し挟み、地元校交流、幼稚部実習など四月から順を追い、現在までの三年生の思い出を反すうする。みな次第に口数が少なくなり、スクリーンに見入り始めた。
 一番の思い出は六月の体育祭。応援合戦の練習でのどを潰しながら、声を振り絞る子どもたち、土壇場で成功した四段ピラミッドの映像が大写しになった。「みんなで一つのことに取り組むのが楽しかった」と徳永凜さん。
 十月のJJSフェスティバルは受験前の最後の大行事。みこし、合唱コンクールなどに一生懸命取り組んだ。川島早織さんは「コンクールで初めて伴奏をして、達成感があった」と振り返る。
 子どもたちはこれから受験シーズン。二学期が終わると、そのまま日本や諸外国に散り、多忙を極める。三月の卒業式まで会う機会がなく、中には式に来れない子どももいる。保護者は卒業生全員で参加できる最後の行事として、毎年この時期「卒業を祝う会」を開催している。
 梅沢侑司さんは「JJSを離れると寂しい気持ち。将来には不安もあるけど、期待を持っている」と未来を見すえた。

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