【スナンスナン】スラバヤにアラブの香り 15世紀建立のモスクも 路地裏に広がる異国

 東ジャワ州スラバヤ市北部にあるスナン・アンペル・モスク。1421年に建立されたインドネシアで3番目に古いモスクだ。国内各地はもちろんシンガポール、マレーシアなど海外からもムスリムが祈りに訪れる。    

 祈りを終えたムスリムの足はモスク目の前にある白い入口へと向かう。屋根つきのササック通りが250メートルほどまっすぐ続き、アクセサリーや香水、洋服や帽子、飲食店などが所狭しと並ぶ。日本の商店街のような雰囲気で、買い物を楽しむ人らで混雑し、活気にあふれていた。
 アリフさん(49)は揚げパンケーキのロティ・マリアムやパンの中に味付けしたひき肉と豆を入れて揚げたカチャン・ロティを売る。「おいしいから食べてみて」と気さくな笑みを見せる。アリフさんによると同地で店を開いているのはいずれもアラブ系の人々だという。
 通りから横道に入ると住宅街が広がる。ひっそりと静まり返った狭い路地に白を基調とした2階建ての家が並ぶ。その一軒を訪ねると、室内は壁や階段、手すりが赤やピンク、緑色などで塗装され、外観からは想像できないほどカラフル。2階の窓からはアンペル・モスクが見える。息子2人と3人で暮らすファリダさん(80)は「歳のせいか目があまり見えないし病気がち。でもモスクが近くてとても住みやすいし、近所付き合いもあり安心して暮らせる」と笑顔を見せた。
 同地はタンジュン・ぺラック港が近く、海外からさまざまな人が訪れた歴史があり、異国情緒あふれる。アリフさんは「ここで生まれ育った。中東から渡ってきた祖先たちがここで生活してきた歴史があるから、いま穏やかに暮らせる」と語った。
(毛利春香、写真も)

◇スナン・アンペル・モスク
住所 :Jl.Ampel Masjid, 53,
    Semampir, Surabaya

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