【トヨタ特集】 将来への期待高まる トヨタ本社の豊田社長
トヨタのインドネシア事業四十周年記念に合わせ、今年九月にインドネシアを訪れた豊田章男社長。中央ジャカルタのホテルで行われた記者会見では、一九七七年にインドネシアで生産を開始したキジャンの初代モデルに乗って登場した。
壇上であいさつした豊田社長は、初代キジャンについて「この車はわれわれの先輩が『インドネシアの土地に合った車を、できるだけ多くのインドネシアのお客様にお届けしたい』との強い思いを込めて開発した」と説明。「私はよく『車は道が作るもの』と言っている。インドネシアには、インドネシアの道に合った車を作ることが、お客様の喜びにつながるという意味。キジャンはインドネシアで三十年以上前からこの考え方を実践していたことを改めて感じた」と話した。
そして、最新モデルであるキジャン・イノーバについて、タイとインドネシアを中心とした現地完結型の開発・調達・生産による世界戦略モデルを世界各国へ生産輸出する戦略で、自身がアジア本部長だった時代に立ち上げたIMVプロジェクトの一環として開発されたと振り返り、「私としても思い入れの強いモデル」と紹介した。
世界の自動車業界では近年、多くのメーカーや部品産業もインドネシアに注目し、将来への期待も高まっていると指摘。「これまでビジネス判断で迷った時は、『これはインドネシアのためになるのか、ならないのか』を判断基準にしてきた。これからもこの考え方でインドネシアとともに成長していきたい」と力を込めた。