レバランで贈り物を チキニ駅前の市場 買い物客で賑わう
レバラン(断食明け大祭)を約2週間後に控え、中央ジャカルタ・チキニ駅周辺のパルセル(贈り物)市場は5日、家族や友人、取引先や会社の同僚へのプレゼントを買い求める市民で賑わった。週末だということもあり家族連れや友人で訪れる姿が目立った。(小塩航大、写真も)
日本で言えば、お歳暮やお中元に当たるパルセル。店員が竹かごや段ボールで作られた箱に色を塗り、組み立てる。その箱に、チョコレートやクッキーの袋詰め、ティーセットの詰め合わせ、メッカのカーバ宮殿を描いた絵画や銀食器の詰め合わせなどが入れられ、飾られていく。
包装後は隣のスペースに山積みされる。飾りのデザインを考えながら、見栄えが良くなることを意識して作業する。一日で20個のパルセルを作る日もある。レバランが近づくにつれて忙しさが増してきたという。パルセルが売れるピークはレバラン中。同駅でパルセル専門店を切り盛りするサミ・マタトゥサさん(50)は「ピークを迎える前にパルセルを買うことを勧めます」と語った。
チキニ駅には約30のパルセル専門店があり、近年増加傾向にある。値段は安いものは30万ルピア、高いもので350万ルピア。今年は、食器類の詰め合わせが人気を集めている。食品などとは異なり、長く使うことができ、花柄模様が描かれたデザインなどが人気という。
好景気を受けて、パルセルを買う人々の予算にも影響が出ているとサミさん。「昨年は100万ルピアのパルセルが良く売れていたが、今年は200万ルピア前後の商品が売れ筋。200万ルピア以上の商品を買っていく富裕層がたくさんいる」と語った。
西ジャワ州デポック市から訪れたネティさん(30)は「予算は200万ルピア。その場で箱から商品まですべて自分で選んで詰め合わせてもらう。食べ物は賞味期限があるから、自分で確かめたものを送ります」と語った。
現在、チキニ駅のパルセル市場は老朽化が問題になっている。パルセル専門店の増加に伴い、店の区画スペースが不足。改装工事を経て新しく生まれ変わる予定だ。
工事中、入居店舗は場所を移して営業を続けるが、移転先は未定という。