漁港の仕組み 興味津々 JJS社会科見学 5年生147人が参加
ジャカルタ日本人学校(JJS)の小学部5年生147人は27日、北ジャカルタ・ムアラバルにあるジャカルタ漁港で社会科見学をした。児童たちはコンサルタントとして30年以上にわたり、漁港に携わってきた折下定夫さんに迎えられ、興味津々に漁港内を回った。
漁港の社会科見学は、船着き場や冷凍庫など5カ所を回る恒例行事。2003年から毎年、折下さんが子どもたちに漁港を案内している。冷凍庫では白く漂う冷気の中を歩き、冷凍保存されたカツオなどを見学。「あっという間に髪の毛が凍った」とはしゃぐ子どもたちの声が響く。インドネシアで普段感じることができないマイナス20度の温度に驚いていた様子だった。
氷工場では水道水と塩水で一つ50キロの氷が一度に作られ、運ばれていく様子に興味津々。灯台に上り、風を感じながらジャカルタの海を一望し、下にいる友人たちに手を振って高さを実感した。
見学後、折下さんが漁港の歴史について説明。日本のODA(政府開発援助)案件として1984年に完成し、現在、日本の海でもインドネシア人の漁師や研修生が6千人ほど活躍していると話し、「日本とインドネシアはともに助け合っているんだよ」と強調した。
JJSでは漁港を訪れる前、社会科の授業で事前学習を実施した。永谷隆・小学部教頭によると、何も知識がない状態で子どもたちが漁港にあるものをイメージ。「船がたくさんある」などと仮説を立てた。
3組の寶川純君は以前訪れた沖縄の海と重ね合わせ、「石垣島の澄んだ海と比べて少し濁っていた」と感想を話した。2組の阿久津希和さんは「どうやって魚をとり運んでいるのか、漁港の仕組みが理解できた」と笑顔を見せた。(山本康行、写真も)