憩いの場、カーフリーデー バリ島デンパサール
自転車を勢いよく漕ぐ子どもたちの横をインラインスケーターらが優雅に行き交うバリ島レノンのププタン大通り。毎週日曜日朝6時から11時まで、在外公館や官庁が集まる緑豊かなププタンバドゥン広場周辺は約5キロにわたって車やバイクが入れないカーフリーゾーンになる。
大通りから少し中に入った所に車を止めた。朝7時半、広場周辺の道路はすでに大勢の老若男女でにぎわっていた。道沿いのカフェは運動着姿の中年グループで占められ、その横で親子連れが残り少なくなった貸し自転車を品定めしていた。
後ろ向きに器用に滑るスケーターらに見とれていると「毎週ここに集まっているんだ。滑り方なら教えてあげるよ。すぐに出来るようになるから」と近くに座っていた若者が言った。道路の反対側にはやけに目立つユニフォームで決めた自転車乗りの一団がいた。次の休みには皆で東ジャワまで遠出をするという。レトリバーの子犬を連れていた夫婦の前にジョギング中の男性が足を止め、会話が始まった。「何カ月たつの? いくらした?」
ジャカルタから自転車を漕いでバリまでやって来たという青年がいた。カーフリーデーのことを友人から聞きつけ隣の島へ渡る前にここに寄ったという。「カーフリーデーはジャカルタにもあるけど、ここは緑が多くて気持ちがいいね」
2009年に始まったデンパサールのカーフリーデーには、間もなく周辺の地域からも大勢の人が集まるようなり、広場の中心では毎週大きな催しが開かれるようになった。地域保健センターによる健康診断が行われるなど、市民行事としてすっかり定着した。
歩き始めてから3時間、日差しが強くなってきたので通行規制が解かれる前に大通りを後にした。適度な運動になったのと、いろいろな人に会えたのが楽しくて、来週もまた来たいと思った。(北井香織、写真も)