【じゃらんじゃらん特集】カヤックでマングローブと海上高速道へ
カヤックを漕いで、バリ島国際空港近くのマングローブの川を上り、去年開通したばかりの海上高速道路の下をくぐった。カヤック乗り場は高速道路入り口の手前を左に降りたカニ料理のレストランの中にある。「何時間でも漕いできな。クタでもどこでも行って来なよ」と地元漁師のラバンさんに言われ、水上に設けた遊歩道をくぐり抜け、まずマングローブに向かって漕ぎ出した。
マングローブの間を流れる川の入り口はここからすぐそばだ。枝から枝へと鳥が群れをなして飛び交い、時折、銀色の小魚たちが水面をジャンプした。タコのように伸びたマングローブの根の間にはさまざまな生き物が住んでおり、それらを求めてカワセミやサギなどの鳥がたくさん集まってくる。もちろんごみもあったが、満潮時だったのでそれほど目立たなかった。飛行機が離陸したのか、突然、ごう音が聞こえてきた。静かになると何事もなかったようにまた鳥の羽ばたく音がした。
次はマングローブから広い海に出て、海上高速道路へ向かった。この辺一帯は、南のブノア半島と東のブノア港によって潮の流れがせき止められているためとても穏やかだ。間もなく、出発した時から気になっていた雨雲から小雨が降り出してきたので、大急ぎで高速道路の下に入った。バリ風の装飾を施した派手な料金所とは対照的な、寒々としたコンクリートの林が延々と続いていて、まるで別世界に迷い込んだようだ。
雨はすぐに止み、ヌサドゥア方面にうっすらと虹が出た。風が出てきたので戻ることにした。漕ぎ始めて1時間半、オールが急に重たくなってきた。高速道路を走るオートバイの若者らがこちらを見て手を振った。そのすぐ上を飛行機が滑り降りていった。
カニ料理レストランによると、カヤックはそもそも遊歩道で囲んだ中で遊ぶためのものなので、外に出るときは自己責任でと言われた。海は年間を通じて穏やかだが、心配な人は救命胴衣を用意しよう。料金は一人乗りカヤックで1万5千ルピア、2人乗りだと2万5千ルピア。干潮時になると浅くなり過ぎて通れない場所も出てくるので、事前に施設担当者のマデさんに適した日時を聞いてみよう。(北井香織、写真も)
◇問い合わせ: マデ・スマサさん(Made Sumasa)
携帯電話:0812―397―0938)