【じゃらんじゃらん特集】絞り染めの美しさ再発見
世界各地に伝わる伝統文化「絞り染め」の展覧会が22日まで、西ジャカルタのテキスタイル博物館で開かれている。日本やインドネシア、インド、アフリカ5カ国の作品が一堂に集う貴重な催しだ。関係者は、絞り染めの美しさを多くの人に再発見してもらうと同時に、作風の幅を広げる機会にしたいと意気込む。
テキスタイル博物館と京都絞り工芸館の共催。会場には同工芸館が制作した長さ8メートルの着物など大作4点や世界各地の作品約25点が並ぶ。パネル約70点を備え付け、絞りの技法も一つ一つ紹介。スカーフや小物なども販売する。
17日には、絞り染めの歴史や技術を解説する講演会も開催。同工芸館の吉岡信昌副館長によると、インドネシアなどアジア他地域と京都の絞り染めの大きな違いは、布の凹凸。京都ではできるだけ残して仕上げる一方、アジアではそれを伸ばすという。
絞り染めの工程は「『気が遠くなって倒れそう』と言われるほど時間と集中を要する」と吉岡さん。職人の育成が課題の一方で、凹凸のデザインに引かれた世界各地のデザイナーが絞り染めに注目するようになってきたという。「伝統的な着物以外にも絞り染めの用途を広げ、需要を増やしていきたい。バティック(ろうけつ染め)と融合した作品も制作したい」と期待している。(宮平麻里子、写真も)