日本など遠方より友来たり ラグラグ会コンサート
1977年結成の混声合唱団「ラグラグ会」は8日、南ジャカルタのヤマハミュージックセンターで「ラグラグパーティー2013」を開き、ジャカルタと地方、日本から集まった会員が1年の鍛錬の成果を発表した。
74年の反日暴動「マラリ事件」を機にインドネシアをより深く知ろうと結成した同会。オランダ植民地時代から独立後にかけて愛国歌を多く書いた代表的作曲家イスマイル・マルズキの「ハロハロバンドン」「リンドゥルキサン」から、コンサートは始まった。曲目にはマルク州アンボン、北スマトラ州トバ湖湖畔のバタック発祥の曲も並ぶ。「クリスチャンが日曜礼拝で歌うので、自ずと歌が盛んになる」とインドネシア在住歴40年を超える梅村正毅さんは言う。鍋谷政宏さんは歌詞を覚えるのに苦闘。「最後まで覚えられなかった言葉があり、ひやひやしながら歌った」。ダンドゥット曲も披露。ダンドゥット歌手ロマイラマに扮した鎌田慶昭さん、9月に帰国したが青森から駆けつけた和氣太司さんがジョゲット(踊り)に会場を誘った。
首都の渋滞深刻化で、中央ジャカルタ・インティランドビルのJACインドネシアで開く週1回の練習にたどりつけない人も多い。郊外の工業団地からの参加は難しい逆境だが、会員は1年間かけて練習し、17人がソロ歌唱に挑んだ。
遠くからの来客にも恵まれる。OB会の東京ラグラグ会から服部洋之さんが訪れ、林延行さんとともにジャカルタ日本祭りでも歌われた「ジャカルタ音頭」を披露。作曲した林さん、作詞した服部さんの2人がそろい同曲を歌うのは2年ぶりだ。大阪ラグラグ会から下出澄夫さんも4年連続で参加。前日、ジャカルタの馴染みのバンドによる伴奏で念入りに練習した上でのソロ。南スラウェシ州マカッサルからはマカッサルラグラグ会代表の竹内ロビーさんも駆けつけた。日本人5人、インドネシア人12人で双方の歌を教え合う活動をしているという。
佐久間武美さんはあいさつで、77年7月13日に国広道彦公使(当時)、日本人学校教諭らの呼び掛けで臨んだ初練習では20人が来たが2回目はたったの3人だったエピソードを紹介。「来年もこよいこの時この場所でまた皆さんとお会いしたい」と締めくくった。 (吉田拓史、写真も)
◇ラグラグ会 毎週水曜午後7時〜同8時半、中央ジャカルタのインティランドビル19階で練習。男女のメンバーを募集。問い合わせは鍋谷さん(携帯0811.840.034)まで。