【じゃらんじゃらん特集】監獄でロック熱唱 コンセプトルームのカラオケ店
黒と灰色のしま模様の囚人服を身に付け、鉄格子の中でシャウトするー。「ジェイル(監獄)」をコンセプトにした部屋に若者が集う。この隣には、大きなハンドルや計器の並ぶ大型バスを模した「バス」の部屋。車窓に囲まれながら座席に腰掛け、手すりに寄りかかる仲間を前に男性が自慢ののどを披露している。
南ジャカルタにあるユニークなコンセプトのカラオケ店が盛況だ。ガンダリア・シティとポンドック・インダ・モールの二つの高級ショッピングモールの中間。飲食店や菓子店、高級車のディーラー、銀行などが並ぶ大通り沿いだ。
南ジャカルタと西ジャカルタを結ぶ幹線道路でもあり、帰宅時間のピークを迎える午後8時ともなると身動きが取れなくなる。そこで渋滞が一段落するのを歌を歌いながら待とうと、帰宅前の通勤者でにぎわうという。
同店によると、平日は高校生や学生、20代の若者たちの数人のグループが多く、週末は幼い子どもなどを連れた家族も訪れる。家族連れには緑の装飾などを施した「ガーデン(庭園)」や、謎めいた地図や魔術に関する壁掛けなどが並ぶ「ハリー・ポッター」などの部屋が人気という。
コスチュームの貸し出しもある。イタリア製二輪車のベスパが置かれた「ベスパ」にはヘルメットを、竹製の東屋に座敷を用意した「サウン」には笠やサロン(腰布)を用意。すっかり役になりきり、部屋の醸し出す雰囲気に浸ると、マイクを握る手にも力が入る。
それぞれコンセプトが違う8部屋を用意。同店グループはブロックMなどでもカラオケ店を展開しているが、若者やファミリー向けの店は初めて。ビールやカクテルなどのアルコール飲料も提供。ラストオーダーは午前1時で、同2時まで営業しており、ミニステージのあるラウンジで夜のひとときを過ごすこともできる。(配島克彦)