【人と世界 manusia dan dunia】仕事終え、ふらり旅に ヒララリティアさん(24)
仕事終わりの午後5時、友人と思い立ったバンテン、西ジャワの両州をまたぐサワルナ海岸行き。ジャカルタからオートバイを2人乗り、到着は午前1時、辺りは暗かった。海岸に、ひよこを頭に乗せたおばあさんがいた。話すと、夫との間に子どもが生まれず、寂しそうだった。おばあさんは、突然ジャカルタから来た自分を自宅に案内してくれた。
時間を持て余す大学時代、旅行が好きになった。旅行ではとまどったり、うれしかったり、感動は絶えない。月に最低1回、ジャカルタから離れて遠出をする。普段は新聞数紙を抱える大手メディアの人事部キャリアウーマン。だが、全国各地への出張が激務の毎日を気にさせない。
「ここはどこ」「どうやって行くの」。インターネットの交流サイト「フェイスブック(FB)」のページには、旅行記を見た友人からのコメント投稿が相次ぐ。感動を伝えるため、ブログ(http://www.hiralalitya.blogspot.com)を始めた。南スラウェシ州マカッサル市では豪雨による倒木で行く手を阻まれ、仲良くなった乗り合いバス(アンコット)の運転手に市内を案内してもらった。西ジャワ州チアンジュール県では今は使われなくなった国鉄のトンネルをくぐった。
12月、シンガポールへ行く。飛行機に自転車を持ち込み、街を回るつもりだ。さて、どんな発見があるだろう。 (上松亮介)