野菜のおいしさ感じて バサラで料理教室
南ジャカルタ・スミットマス・ビルの日本料理店「バサラ」は9日、「新鮮な野菜で年末年始のオードブルを作ろう」をテーマに料理教室を開いた。インドネシア人と日本人20人が集まり、「たっぷり野菜のちらし寿司」や「ホウレンソウのクレープ」「季節野菜の温かいサラダ」をバサラ料理長の高井大樹さんの指導の下、楽しく学んだ。
今回、調理に使用したホウレンソウやニンジン、大根やアスパラなどの野菜は西ジャワ州プンチャックで野菜を生産する会社「起き上がる」が提供したもので、料理教室には同社のアグス・アリ・ヌルディン社長も参加した。
「インドネシアの大根の皮は厚いので少し厚めにむくように」。高井料理長に野菜の特徴を学びながら、講習生ら四つのチームに分かれ調理をしていく。チームによって野菜の切り方や盛り付けがさまざまで、他のチームの作業を見にいく人もいた。ホウレンソウのクレープは、裏ごししたホウレンソウと小麦粉などを合わせた生地に、細かく刻み炒めた野菜を入れて丁寧に巻いていく。参加したインドネシア人の講習生の繊細な手つきに日本人の講習生らが驚く場面もあった。完成した3品とバサラが作った鳥の塩焼きが大きめの皿に乗せて調理は終わった。
「いただきます」。それぞれが仲間と作った料理を頬張る。「こんなにおいしく料理してもらいうれしい」とアグス社長も笑顔を見せた。アグス社長は2008〜09年まで和歌山県で農業の技術を学び、10年に「起き上がる」を設立した。プンチャックの約4ヘクタールの農地にゴボウやホウレンソウなど8種類ほどの野菜を栽培している。今回の教室では「カブをつくってほしい」などと講習生からの要望を聞いた。「今作っている野菜の種のほとんどは日本から調達している」とアグス社長。高井料理長は「野菜は細かく刻んで料理に使うことで活きる。形は関係ない。十分おいしい野菜だから」と話し、販路拡大や認知向上、アグス社長の作った野菜のおいしさを知るきっかけとしても、今回の教室は意味があったと振り返った。
バサラは来月14日、「家庭で作るお節料理」をテーマに料理教室を開く予定だ。 (山本康行、写真も)