【じゃらんじゃらん特集】海と森のリゾート 好立地で開発急ピッチ バリ島南部ジンバラン
バリ島の空の玄関口、ングラライ国際空港から車で南へ約15分。バドゥン半島の付け根あたりに、白い砂浜や漁村が広がるジンバラン地区の開発が急ピッチで進んでいる。アクセスの良さに加え、新たなコンセプトの高級ホテルが観光客誘致を強化。州政府は競技場建設を計画し、国際イベント誘致に乗り出す構えだ。
■新婚さん300組
ジンバラン地区の最も新しいホテルは、9月にオープンしたばかりのリンバ・ジンバラン・バリ。日本人客が35%以上、ハイシーズンには50%を超えるアヤナ・リゾート・アンド・スパの姉妹ホテルで、77ヘクタールの広大な敷地のうち8ヘクタールを使用した。
石灰岩の崖が広がるジンバランに緑を茂らそうと、リンバ(インドネシア語で密林)の庭や周辺には650種類の果樹を植えた。海岸に面したアヤナと丘陵地のリンバをシャトルバスで結び、宿泊客は両ホテルの施設を利用できる。
両ホテルの日本人客担当営業マネジャーの高野典子さんによると、イベントに利用できる庭やボールルームのほか、会議室12カ所を用意。近隣諸国から幹部を集める企業の会議の開催場所などの需要も見込む。
バリ島での結婚式も根強い人気がある。アヤナで挙式をあげる日本人カップルは年間300組。400組に達した数年前のブームは一段落したが、リンバがオープンし、海と森の両方の雰囲気を味わえるようになったことをアピールしていくという。
1年に何度かインド人の結婚式も開かれる。本国から飛行機をチャーターし、数百人に上る一族を招待。1週間ほど掛け、一連の儀式を盛大に挙行し、大宴会が続く。ヒンドゥー教の島でのウェディングに憧れるインドの新婚カップルは多いという。
■競技場建設計画も
ジンバランには、フォーシーズンズやインターコンチネンタルなどのほか、昨年にはル・メリディアンもオープン。高級ホテルやヴィラが増えつつある。クタやレギャンのようなナイトライフはなく、昔ながらの漁村が残る地域として、喧騒から離れ、ゆっくりと休めることをアピールしてきたが、周辺には変化の兆しもある。
バリ州政府は10月、国内サッカー振興の一環として、来年ジンバランに競技場を建設すると発表した。空港からのアクセスも近く、海外のチームを誘致し、国際試合を開くのに好立地としている。
また、ジンバランにあるガルーダ・ウィスヌ・クンチャナ文化公園(GWK)では、アジア通貨危機で中断していた彫像の建造を再開する。神鳥ガルーダの背にヴィシュヌ神が乗る形で、完成すれば高さ126メートル。中国の巨大仏像に次ぐ世界2番目の高さの彫像となる。コンサートなどイベント会場としても使われてきた同公園のシンボルにするほか、多様性を尊重するバリの文化遺産にしたいという。(配島克彦、写真も)