【じゃらんじゃらん特集】踊る魅力、舞台で達成感 バリダンス教室「パドマサリ」
「ひじ(を下げないで)」「スニュム・ヤ(笑顔で)」。バリ州ジュンブラナ県出身のイ・プトゥ・アスタワさんが、日本語・インドネシア語を交えて指導する。レッスンではまず1曲を通して踊り、次に部分練習。繰り返し練習をする。
南ジャカルタ・ポンドック・ピナンの舞踊スタジオ「スンブール・チプタ」で、バリダンス教室「パドマサリ」が毎週月〜木曜日にレッスンを開く。20〜40代の日本人女性約45人が所属。4〜9人のグループに分かれ、週1〜2回のレッスンに励む。月曜の午後には子どものクラスもある。
歓迎の踊り「ペンデット」「プスパンジャリ」の後、群舞や男性的な要素を取り入れた踊りなどに進む。3回ほど発表会を経験したころから、個人用の踊りにも挑戦する。プトゥ先生が個人の資質などを考慮し曲を紹介するが、希望も考慮する。
南ジャカルタ・ポンドック・インダ在住の高木恵理幸さん(44)は、語学学校の友人とバリダンスを始めて6年が経つ。もともとジョギングなどで体を動かすのが好きだが、表現する難しさ・楽しさなどの新しい魅力に取りつかれた。ポンドック・インダ在住でバリダンス歴5年の佐々木晃美さん(40)は、初めは鏡の前で踊るのが恥ずかしかったが、今では「先生の踊りに近付きたい」思いで練習に励む。
年に1回の発表会は自由参加だが、人前で踊る経験が達成感や向上心につながる人も多い。「皆で一つの舞台を作り上げたという自信が湧きます」と高木さんは話す。
プトゥさんは「レッスンでは一つ一つのテクニックを丁寧に教えます。正しい動きを常に前で踊って見せるので疲れることもありますが、みんなのやる気が高く、教えがいがあります」と話す。発表会のほかに、1年に数回ほど、ジャカルタ内の寺院のオダラン(建立祭)で生徒に踊りを奉納させる。舞台とは違う、バリの雰囲気を味わえるためだ。
1カ月のレッスン料は週1回のクラスが20万ルピア、2回が35万ルピア。高木さんは「踊りが楽しくなった頃に帰国の時が来る人も多いので、ぜひ早めに始めてほしい」と呼びかけた。(宮平麻里子・写真も)