【顔】絶対行きたい、日本 トゥティ・アラウィヤ・スガンダさん(20)
肌身離さず、いつも持ち歩く物がある。日本に行ったことのある友人が撮影した京都・金閣寺の写真だ。現在、ダルマ・プルサダ大の3年生。卒業を来年に控え、将来の進路をそろそろ考えなくてはならない。
西ジャワ州スカブミ県プロサリ村出身。2009年4月17日、当時高校3年。近くのプサントレン(イスラム寄宿学校)に、塩尻孝二郎・元駐インドネシア日本大使がやって来た。「才能を見つけ、引き出す教育が大切」との言葉に引かれた。
富士山、桜など美しい風景に、世界随一の経済力。茶の湯や書道の伝統文化。履修科目でしかなかった日本語や日本への好奇心が生まれた。日本語を学べる大学を探し、ダルマ・プルサダ大を選んだ。「ジャカルタ日本祭り」など、日本により近づける行事があるのは、ジャカルタだ。
もうすぐ卒業。日系企業で働きたいが、日本語だけ勉強してきた自分にまだ自信が持てない。入学前から、両親は「日本語は選択肢が狭い」と反対してきた。言葉だけで通用しないのは分かっている。選択肢を広げるために英語を勉強するか。金閣寺の写真の裏に、自分で書いた言葉がある。「絶対に行く、日本」。卒業まで、夢に向かって悩みながらも頑張りたい。(上松亮介、写真も)