緊急搬送サービス開始 日本語可能な医師同伴 タケノコ診療所
タケノコ診療所はこのほど、緊急時に短時間で必要手続きを済ませて患者を海外に搬送する「緊急搬送サービス」を開始した。24時間対応、緊急入院サービスと合わせた医療体制が充実し、在留邦人が安心して生活する支援となりそうだ。
同サービスでは、医師が緊急搬送の必要性を判断し、患者の親族や勤務先の関係者に説明。チャーター機の到着までの4時間程度に、並行して出入国手続きを済ませる。機内や空港から病院までの搬送中も、日本語を話せる医師が同伴する。
これまでにチャーター機や民間機を利用し、シンガポールと日本へ2件の搬送実績がある。中央ジャカルタにあるタケノコ診療所だけでなく、南ジャカルタ区ポンドック・インダとバリ州の診療所からも搬送可能。
山田晴男院長は、同サービスのシステムが整い「夢がかなったよう」だと感慨を語った。「体調が悪い時こそ細かなニュアンスまで伝えたいもの。日本語対応で患者も安心して利用できる」として、同診療所が緊急搬送の実施機関に加わることが医療サービス全体の向上につながるとの考えだ。
同診療所では日本人看護士5人に加え、インドネシア人医師20人・看護士20人が勤務する。山田院長によると、数年以上指導してきたスタッフらの医療技術や日本語能力での成長は大きく、今では安心して患者の対応を任せられるという。今後も新たに医師・看護士を引き受け指導していく方針で、「教え子らには互いに教えあう文化を作ってほしい」と期待している。(宮平麻里子)