「アジアの遺産 世界に」 無印の原氏が講演 「新しい家のスタイルを」
6日、中央ジャカルタのジャカルタ・コンベンション・センター(JCC)で開催中の「デサイン・ID2012(インドネシア・インテリアデザイナーズ連合会主催)」で、日本人デザイナーの原研哉氏が講演を行った。「今世紀はアジアの世紀。インドネシアを含めたアジアの遺産を使って新しい『家』のスタイルをつくり、世界に発信していきたい」と語り、インドネシア人デザイナーらを鼓舞した。(堀田実希、写真も)
原氏は無印良品のチーフアドバイザーを務め、インドネシアでも「デザインのデザイン」の著者として知られている。700人以上の聴衆の中には、ジョクジャカルタやバリから来た人もいた。
約1時間にわたる講演で、原氏は自身が手掛けるプロジェクトを複数紹介した。その中で「ローカルをしっかりと見つめ、特色を知り、ブラッシュアップすることで、グローバルの文脈で生かすことができる」と訴えた。
インドネシアは文化という資源があり、将来有望な国と評価。「バティックや籐家具など、見ていてほしくなるものがたくさんある。伝統として培ってきた資源があるからだ」と指摘した。
原氏は昨年から中国で展覧会を行うなど、アジアでの活動に力を入れている。ジャカルタ訪問は今回が初めてだが、「東京横浜圏を抜こうという勢いで成長している、可能性を秘めた都市。これからも訪れ、インドネシアのデザイナーと交流したい」と語った。