ごみから雑貨作る 芸術家の儀間さん パレンバンで講習
南スマトラ州パレンバン市で先月30日〜2日の4日間、ごみとして出された段ボールを再利用するための講習会があった。沖縄を中心に活動する芸術家の儀間朝龍(ぎま・ともたつ)さん(36)が講師を務め、ごみから生活雑貨を作る楽しさをインドネシア人主婦や大学生に教えた。
いらなくなった段ボールでも、(1)水に浸す(2)3層状の段ボールを分離する(3)乾かす(4)アイロンにかける―と、薄い紙に変わる。儀間さんのアトリエは市場近くにあり、毎日大量に捨てられる段ボールから何かできないかと、紙にする工法を考えたという。儀間さんは、再利用するためのごみをお金と交換する「ごみ銀行」を運営する主婦に作り方を教えた。
ごみだった段ボールはノートや紙袋、封筒、便せんになった。プラスチックごみから作った鞄などの商品は国内のショッピングモールなどに売られているものの、段ボールからのものは少ない。参加者は簡単な作法と高いデザイン性に驚いた。
講習会は、パレンバン市環境事務所に駐在する青年海外協力隊の田島亜希子さん(33)が、リサイクル製品の種類を増やしたいと企画。ウェブサイトを通じ突然の依頼を受けた儀間さんは快諾し、インドネシアを初めて訪れた。田島さんは講習会に参加した大学生の一人がデザインに目を輝かしたことを挙げ、「格好いいデザインのものを作り、ごみ再利用の新たな視点になれば」と期待する。(上松亮介)