「25年には世界の中心に」 ファッションウィーク開幕 国産品の競争力向上狙う
アパレル産業の発展を目指す国内最大級のファッションイベント「インドネシア・ファッションウィーク」(IFW、主催・インドネシア・ファッションデザイナー・実業家協会=APPMI)が14日、中央ジャカルタのジャカルタ・コンベンションセンター(JCC)で開幕した。ショーや展示販売で生産者と販売者の交流を深め、セミナーやワークショップでデザインや販売ノウハウを伝え、国産品の競争力を高める狙いだ。
開会式で、マリ・パンゲストゥ観光創造経済相は、国内のアパレル産業が創出する国内総生産(GDP)が2010年の128兆ルピアから12年には164兆ルピアと急成長を遂げ、同年には380万人の雇用を創出している重要な産業だと強調。「経済成長による所得増、中間層の拡大でいまより良い服を着たいという人が増え、質の良い服、デザイン性のある服の需要が高まっている」と指摘した。
近年、海外ブランドのインドネシアの進出が相次いでいる。05年に上陸したスペインの「ザラ」は現在11店舗。今年6月には「ユニクロ」の、来年にはスウェーデンの「H&M」の1号店がオープンし、今後の競争激化が予測される。マリ観光創造経済相は、海外製品に対抗できるよう国産品の質を高め、アパレルを輸出できる産業にしようと、工業省と商業省、観光創造経済省、中小企業・協同組合担当事務所が合同で産業育成計画を策定したと明らかにした。10年にAPPMIが設定した「25年までにインドネシアを世界のファッションの中心地にする」という目標の実現を目指す。
■国際ネットワーク構築へ
国を超えて、デザイナーや小売店との接点を作りやすくするため、IFWは今年、32カ国のファッションイベントのネットワークを構築する「ワールド・ファッションウィーク(WFW)」(本部ワシントンDC)に加盟した。
今年のIFWでは、WFWが選んだブラジル、スウェーデンなど4カ国のデザイナーが地元のデザイナーと合同でショーを開催し、デザイナー同士の交流を深める。今後、インドネシアからは、今年10月にパリで開催するワールド・ファションウィーク2013に最大20ブランドがショーや展示を行う。
■日本ファッションも
今年のIFWは、経営者協会(アピンド)も支援している。「アジアのファッションの中心地と知られる日本のファッションは、デザイナーへの良い刺激になる」という経営者協会(アピンド)のソフヤン・ワナンディ会長の依頼があり、日本貿易振興機構(ジェトロ)と中小企業(SMEJ)連合会が日本のファッション商品を紹介する「ジャパン・パビリオン」を開いた。
「東京ランウェイ」などを運営するアイグリッツ社は、「インドネシア市場にも興味がある」という渋谷発のブランドなどを展示。コーディネートを写真に収める来場者もいた。
■17日まで開催
APPMIが目利きした503ブランドの物販もあり、一般者も楽しめる内容となっている。ファッションウィークの詳細はウェブサイト(www.indonesiafashionweek.com)に記載されている。(堀田実希、写真も)